「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」正しいのはどっち? 意味や使い方も解説

「早急」という言葉、読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」どちらが正しいのでしょうか。この記事では「早急」の正しい読み方と意味、使い方についてくわしく解説していきます。

「早急」の正しい読み方はどっち? 
「早急」の正しい読み方はどっち? 

ビジネスのシーンで、何かを依頼されすぐに対応が必要な場合などに「早急に対応いたします」というような表現がよく使われます。


この「早急」という言葉、読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」どちらが正しいのでしょうか。


今回は「早急」の正しい読み方について解説していきます。


<目次>
「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」どちらが正しい?
「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」どちらが一般的?
「早急」の意味とは? 
「早」の読み方とは? 
「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」、どっち派? 【独自アンケート】
「早急」は本来「さっきゅう」の読み方が正確
「代替」「世論」など、2つの読み方がある語は他にも

「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」どちらが正しい? 

「早急」は声に出して読む場合、「さっきゅう」「そうきゅう」と2通りの読み方を耳にします。どちらが正しいのでしょうか。


多くの辞書には「さっきゅう」「そうきゅう」どちらも記載されています。
 

ただ、「そうきゅう」の項目を見ると

 ・そうきゅう(早急) さっきゅう(早急)に同じ。
    (『大辞林 4.0』 三省堂)

 ・そうきゅう(早急) 「さっきゅう(早急)」に同じ。
     (『大辞泉 第二版』 小学館)

 ・そうきゅう(早急) ⇒さっきゅう 
    (『広辞苑 第七版』 岩波書店)


このように、「そうきゅう」は「さっきゅう」の言い換えとして扱われていることが分かります。

また、1889年から1891年にかけて発行された国語辞典『言海』には、

さつきふうに(さっきゅうに) 【早急】 急ギテ。迫(せ)キテ。
    ※()内は筆者が補記


としか記載がなく、「そうきゅう」という語は見当たりません。
 

こうしたことから、本来「さっきゅう」としか読まなかったものが、慣用的に「そうきゅう」とも読むようになったと考えられます。

関連記事:慣用読みとは? 慣用読みの一覧や普及された理由をアナウンサーが解説

「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」どちらが一般的?

本来は「さっきゅう」と読んでいた「早急」ですが、現在では「そうきゅう」という読み方も一般的になってきています。では、実際口にする際どちらを使えば良いのでしょうか。
 

様々な年代や境遇の人に分かりやすい言葉遣いが求められる放送ではどうしているのでしょう。
放送上の言葉の使い方のガイドラインを記した「ことばのハンドブック 第二版」(NHK出版)には、

早急 ①サッキュー ②ソーキュー

とあるほか、

「NHK日本語発音アクセント新辞典」(NHK出版)にも

さっきゅう【早急】 サッキュー (許容)ソーキュー

と記されています。

放送で「早急」を読む場合、「そうきゅう」でも間違いではないものの、「さっきゅう」の方が優先されると示されています。

「早急」の意味とは? 

「早急」は、「はやい」「すみやか」という意味を持つ漢字「早」に、同じように「はやい、すみやか」という意味や「いそぐ」の意味がある「急」の字を組み合わせた熟語です。
 

辞書では次のように説明されています。

【早急】 非常に急ぐこと。また、そのさま。至急。
     (『大辞泉 第二版』 小学館)


「早急に対策を講じる必要がある」や、「早急に対処いたします」といったように、差し迫った事態に速やかに応じる場合などに使われることが多い言葉です。

「早」の読み方とは? 

本来「さっきゅう」と読む「早急」が「そうきゅう」とも読まれるようになった背景には、「早」という漢字の読み方が関係していると考えられます。
 

常用漢字表に記載されている「早」という漢字の一般的な読み方は次の通りです。

訓読み はやい、はやまる、はやめる
音読み ソウ、サッ(特別なもの又は用法のごく狭いもの)


「早」を「サッ」と読むことは一般的ではあるものの、使う場面は限られていることが示されています。
 

約30万語が採録されている『精選版 日本国語大辞典』(小学館)で確認してみると、「早」がつく言葉が約320語取り上げられていますが、このうち「サッ」と読むのは、「早急(さっきゅう)」「早却(さっきゃく)」「早速(さっそく)」の3語のみです。
 

このように、「早」が使われている語では「はや」や「ソウ」と読む場合が多く、「サッ」と読む語はごく限られたものしかないため、「早急」も「そうきゅう」と読まれるようになったと考えられます。
 

ちなみに、「早乙女(さおとめ)」や「早苗(さなえ)」「早蕨(さわらび)」など、「時期が早い、若々しい」といった意味で「さ」と読む場合、これは訓読みです。

こちらも、「ソウ」や「はや」に比べると少ない読み方です。

「早急」の読み方は「さっきゅう」「そうきゅう」、どっち派? 【独自アンケート】

All About ニュース編集部では、「早急の読み方」についてアンケートを実施しました。
「早急」の読み方、どっち派?
「早急」の読み方、どっち派?
その結果、「そうきゅう」は58.8%、「さっきゅう」は40.6%、「どちらとも読む」は0.6%となりました。

・「そうきゅう」派の意見

「そうきゅう以外の読み方をしたことが無いから」(30代女性/埼玉県)

「早は早々などそうと読ませることの方が多く馴染みあるからです。」(50代女性/愛知県)

「さっきゅうという言葉を聞いたことがない」(20代女性/群馬県)

・「さっきゅう」派の意見

「学校で学んだときはそうきゅうと読んでいました。ですが、メディアでさっきゅうという読み方が多く自分自身にも定着しました」(40代女性/東京都)

「ニュースなどで耳にするのはこちらだから」(20代男性/埼玉県)

「クイズ番組でさっきゅうが正しいと見た気がするため」(20代女性/茨城県)

【調査概要】
調査期間:2023年10月20~23日
調査方法:インターネット調査
回答者属性:10~70代の500人

「早急」は本来「さっきゅう」の読み方が正確

ここまで示したように、「早急」は、本来「さっきゅう」と読んでいたものが慣用的に「そうきゅう」とも読むようになった言葉です。現在では「そうきゅう」という読みも一般的になっていると考えられ、間違いとまではいえません。
 

ただ、公の場などで、より正確な、多くの人が違和感なく受け取れる言葉遣いを心掛けたい場合は、本来の読み方に則って「さっきゅう」と読む方が良いでしょう。

「代替」「世論」など、2つの読み方がある語は他にも

「早急」のように、現在では2つの読み方が許容されつつある語は他にもあります。

・代替
何かの代わりや代わりの選択肢を指す「代替」。本来の読み方は「だいたい」ですが、「だいがえ」という読み方も定着してきています。

関連記事:「代替」の読み方は「だいたい」「だいがえ」どっち?

・世論
ニュースなどでよく目にする「世論」という言葉も、「よろん」と「せろん」どちらも正しい読み方で、誤りではありません。ただ、一般的には「よろん」の読みが定着しています。

関連記事:「世論」の読み方は「よろん」「せろん」どっち? 


■執筆者プロフィール


笠井 美穂(かさい みほ)
福岡県出身。九州大学文学部を卒業後、KYT鹿児島讀賣テレビに入社。退社後は、報道番組を中心にフリーアナウンサーとして活動。これまでの出演は、NHK北九州放送局『ニュースブリッジ北九州』、NHK BS1『BSニュース』、NHK Eテレ『手話ニュース』、NHK ラジオ第1『NHKきょうのニュース』『ラジオニュース』など。
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