世界を知れば日本が見える 第3回

「国葬」中止を求める脅迫メールにも利用か? 匿名通信システム「Tor(トーア)」とは

送信元が不明の脅迫メールが、各自治体に届いている。警察関係者によると「Tor(トーア)を使っているケースもある」という。トーアとは一体どういうシステムなのか。

「Tor(トーア)」とは

匿名通信システム「Tor(トーア)」(画像はイメージ)

トーアとは、匿名で利用できるインターネットの通信システムだ。世界的によく知られているトーアは、犯罪の温床になっているとして批判されることも多い。
 

トーアは、専用ブラウザを使ってインターネットに接続することで匿名通信を可能にしている。トーアブラウザは公式サイトから無料でダウンロードでき、ある程度の英語が理解できれば誰でもすぐに利用できる。
 

通常、インターネットに接続されているパソコンには、全てにIPアドレスと呼ばれる番号(住所のようなもの)が振り分けられている。インターネットのサイト側は、どのIPアドレスがサイトに接続してきているのか、またどのIPアドレスから電子メールが送られたかなども調べれば分かる仕組みになっている。ユーザーがWebサイトに接続すると、サイト側にはIPアドレスのログ(記録)が残る。
 

脅迫メールやメッセージであれば、そうしたデータなどから、どこから送信されたのかがある程度分かる。ところが、トーアのブラウザを経由すれば、誰がアクセスしているのかが分からなくなる。


>次ページ:トーアの仕組みとは? 使い方は2つ

 

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