二級建築士が考察『魔法のリノベ』第3話。テレワークスペース、収納棚、カーテンのすごい技と効果

『魔法のリノベ』第3回のインテリア・リノベの考察。海が見渡せる広々としたLDKを持つ一軒家は実は事故物件。契約後にそれを知って険悪になっていくオーナー夫婦が、最後に笑顔となったリノベ術とインテリアのポイントをお伝えします。(サムネイル画像:『魔法のリノベ』公式サイトより)

『魔法のリノベ』第3話に登場する家を二級建築士が考察(画像:『魔法のリノベ』公式サイトより)

テレビドラマに出てくる素敵な家やインテリア。ストーリーをより盛り上げるための演出の1つとして欠かせない要素です。中でも登場人物が住んでいる家はその人のキャラクターを表現するツールですが、インテリアづくりの参考にしている人も多いのではないでしょうか。

今回は、波留さん主演の月10ドラマ『魔法のリノベ』(カンテレ/フジテレビ系)第3回に登場する家ついて、二級建築士・インテリアコーディネーター資格を持つ筆者がプロ目線で考察します。最近増えてきているテレワークのスペースづくりの参考になるインテリアが出てきますよ。
 

『魔法のリノベ』第3話の簡単なあらすじ


小梅(波留)と玄之介(間宮祥太朗)がある夫婦の依頼で現場調査にやってきたのは、海の近くにあるオレンジ色の屋根と白壁のコントラストが美しいおしゃれな一軒家。シックながら開放感あふれる内部を絶賛する玄之介でしたが、この家は実はいわゆる事故物件でした。

リノベーションで住みやすくしたい夫と、契約後に事故物件と知って嫌悪感をあらわにする妻。何とか夫婦どちらにも納得してもらえる結果を出したい玄之介は、一晩泊まりこんでプランを考えることにしますがー。
 

『魔法のリノベ』第3話の家考察(1)アクセントカラーは大胆に

問題の家は、生活感を感じさせない別荘のような雰囲気。
 
海へ向かうデッキつきでおしゃれ!(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

ちょっと持て余しそうなくらい庭も広そうですが、都会から離れた場所に住むことを決めた依頼人の夫婦も実は訳あり。人気が無い静かな場所に建つこの物件が気に入ったのもうなずけます。

今回リノベを検討していたのは海が見えるLDKでした。
 
高い天井と半円アーチの窓で開放感は抜群(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

天井には大きな化粧梁(けしょうばり)。天井板をつけず、三角屋根をそのまま傾斜天井として仕上げているのでかなりの大空間ですが、このような広々とした空間は単調になりがちなので、化粧梁をつけることでメリハリを出しています。

つい目を奪われるのは半円アーチの窓。フレームはシンプルですが、長方形の窓にはない柔らかい雰囲気を感じますね。手前にある化粧梁のストレートな形との対比がなかなかいいバランスです。

とはいえ、なかなか一般住宅では見かけない造りですからここは目で楽しむだけにして、インテリアの参考としてはカーテンに注目しましょう。おそらくシンプルなデザインの両開きカーテンですが、白い壁に淡いベージュの床という全体的に明るい空間の中で、ローズカラーのカーテンがよく映えています。

この色、単独で見るとかなり派手なトーンの部類に入ります。ですが、壁や床といった室内で大きな面積を白か淡い色にしておくと、個性的な色やデザインのカーテンや家具を合わせても浮きません。むしろ「さりげないけれど何かおしゃれ」というインテリアをつくりやすくなります。
 
カーテンの色でも雰囲気がガラッと変わる(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

リノベ後では、カーテンはローズカラーからアイボリーカラーに変わっていました。壁の色と近い色のカーテンにすると、カーテンは壁面になじんで目立ちません。今度は化粧梁やシャンデリアが空間のアクセントとなるのです。

シャンデリアやソファなどを空間のアクセントにしたい場合は、カーテンの色は抑えておきましょう。
 

『魔法のリノベ』第3話の家考察(2)広いリビングを仕切って用途を変える

次に、LDKを大きな窓から逆方向に見た時の空間。
 
 
広いLDKは間仕切りのない1つの空間でした(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

ドアを開けて、玄関ホールからLDKに入ってきます。左側にキッチンがありますが、アイランド型と言われるフルオープン型。つまりこのLDKは一切間仕切り壁がない空間でした。広さがある一方で、日常生活を送る場所としてはあまり使い勝手がよくない間取りといえます。

リノベ後、この空間にはテレワークスペースが作られました。
 
リビングにテレワークスペースが新設(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

間仕切りによる、独立スペースになっています。カウンターのようなテレワークスペースのデスクに座ると、半円アーチの窓を通して海が見えるので、スペース自体がコンパクトでも狭さは感じないでしょう。
 
大きな窓から海が見える位置(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

また注目したいのがこのスペースの壁面に作られた棚です。

リビングには小さくて使用頻度が高いアイテムが意外と多いのでリビングボードなどを置くことが多いのですが、このように壁面を利用すると置く場所を取りません。扉を開閉する必要もありませんから物の出し入れも楽ですね。ホコリが気になるという場合は一部に扉をつけてオープン棚とミックスすればOKです。

左側の棚は奥行き25cmくらい、右側の棚は奥行き15cmくらいでしょうか。収納するもののサイズに合わせて造作すればすっきり納まります。造作棚というと高額なイメージがあるかもしれませんが、このようなシンプルなデザインだと意外と低予算で製作可能です。
 
全体的にベージュのトーンで間仕切壁もなじんでいます(画像:月10ドラマ『魔法のリノベ』【第3話ダイジェスト】より)

テレワークスペースの入り口壁面の一部は黒板になっているようで、遊び心をくすぐられる仕上がり。最近はチョークで直接書き込める壁紙が販売されていますから、新築やリフォーム、リノベーションの機会に取り入れてみるのもよいでしょう。


『魔法のリノベ』第3話では、リノベーションをきっかけに、依頼人の夫婦がお互いを思いやりながらこの家で暮らしていくようになるまでが描かれています。8月8日22時まで、TVerで見逃し配信中です。

住む環境が整うと気分も大きく変わるもの。このエピソードもそうでしたが、1部屋だけをまず整えるという方法は負担が少ないのでおすすめですよ。ぜひお部屋づくりの参考にしてみてください。


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