世界を知れば日本が見える 第1回

Twitter買収撤回のイーロン・マスク、次は「世界一有名な出禁ユーザー」トランプ氏と“喧嘩”

米ツイッター社の買収劇で話題のイーロン・マスク氏だが、今度はドナルド・トランプ前大統領と対立を始めている。11月には米中間選挙もあるが、気になる今後の展開は……。

マスク氏「トランプを憎んではいないが引退したほうがいい」

ことの発端は7月10日にトランプ氏がアラスカで行ったスピーチでマスク氏を「詐欺師」と呼んだことだった。さらにTwitterでアカウントが永久凍結されているトランプ氏は、2022年に自分が立ち上げたSNS「Truth Social」で、大統領時代にマスク氏が自動運転やロケットのビジネスで「補助金」を出してほしいと懇願してきたと暴露。反対に、そうした発言を受けてマスク氏は、「トランプを憎んではいないが引退したほうがいい」と反発している。
 

マスク氏とトランプ氏のやりとりを見ていると、突飛な言動で動きが予想できないという意味では、両者は似たもの同士だと感じる。しかも、トランプ氏は常に対立をあおる戦法で注目を集めてきた人物で、マスク氏もTwitterで奔放なコメントをして注目されてきた過去がある(テスラを非上場すると冗談をツイートして2000万ドルの罰金を課されたことも)。
 

「世界一の富豪」vs.「元世界最強の大統領」行方は(画像はイメージ)


そんな両者だからこそ、「世界一の富豪」vs.「元世界最強の大統領」の”喧嘩”は見ものであり、米ツイッター社の買収劇の行方と、2022年11月の米中間選挙の展望も絡んで、これからの展開を多くが注目している。
 

やはりまだマスク氏の動きからは目が離せない。



山田敏弘プロフィール
ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


 

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