テスラやスペースXの最高経営責任者(CEO)として知られる実業家イーロン・マスク氏は、かねてから世界一裕福な人物として知られていたが、6月末には、Twitterのフォロワー数が1億人を突破したとしてニュースになったばかりだ。特にここ何カ月かの間にマスク氏のフォロワー数は急増していたことから、最近これまで以上に世界的な知名度を高めている。
マスク氏への注目度は、2022年になってからグッと高まった。最大の理由は、米ツイッター社を買収する動きが明らかになったからだ。
最近では、米ツイッター社以外でも、次から次へとマスク氏に絡む話題が連日報じられている。そこで、いま「世界一の富豪」であるマスク氏が見せている奔放とも言える最近の動きをまとめてみたい。
マスク氏によるTwitter買収劇
まず米ツイッター社の買収劇が表面化したのは、4月4日のことだった。米証券取引委員会(SEC)の大量保有報告書で米ツイッター社の株式を買い進めていることが明らかになり、大きなニュースとなった。そしてマスク氏は買い増しを続け、すぐに筆頭株主になった。
当時、「言論の自由は民主主義には欠かせない。ツイッターはこの大原則を忠実に守っていると思うか?」「編集ボタンはほしい?」などといったツイートを投稿して、米ツイッター社買収で現在のTwitterの在り方を変更していく意思を見せ始めた。
しかも同社側から提案された取締役会への加入を拒否し、株価を54.20ドルという評価額よりもかなり高値に設定して完全買収すると表明した。そして米ツイッター社との合意を経て、買収が進められていた――はずだった。
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