慶應女子高OGいわく「芦田さんほど優秀なら、いっそ海外でも?」
慶應から出て外部の大学を受験した方が、よほど医師になれる可能性は高いのだ。先ほどの向井千秋さんのケースに限ったことではなく、慶應の内進はそのレベルの高さ、厳しさでたくさんの有名エピソードが生まれるものでもある。慶應に満足せず、いったん内進したが仮面浪人し、東大やハーバード大などに再受験して進む学生も、毎年必ず数人は出てくる。嵐の櫻井翔さんが慶應義塾高校(塾高)から慶應が誇るブランド学部である経済学部(内部進学の条件はやはり高い)へ進んだときも、内進基準の高さを知る関係者の間では「よくぞ……」との感想が漏れるほどだった。
日本の名門私学の雄であるということは、そういうスーパー人材がゴロゴロ輩出される環境だということでもある。「同窓会などでもよく笑い話になるんです。慶應の中高って、『有閑倶楽部』と『花より男子』を足して2で割ったような、本当に漫画の世界みたいだよねって。政治家や財閥家などのVIP子弟も多いですし、芸術家や学者や超有名外科医を親に持つ子、中には本人が有名人という子もいる。文武両道、オールラウンドになんでもできて、容姿まで整っているなんて子がざらにいて、そんな中で育つから、嫉妬なんてバカバカしくてしないんですよね」(Kさん)
だからKさんは、「慶應らしく」こう考えるのだそうだ。「芦田愛菜ちゃんほど努力家でもともとの頭がいいお嬢さんなら、内部進学にこだわらず、外部受験して羽ばたいていけますよ。国内の医学部や医大もいいですが、彼女ほどバランスが良くてしかも自分で稼げる人なら、海外大学にだってサラッと行けるのでは。芦田愛菜ちゃん自身、小さい頃から世間にあれこれ注目されて、やりづらいことが多いかと思います。小さい頃から人前に出て活躍していると、その人生しか知らないからそういうものだと思ってしまうかもしれませんが、外野に色々言われても、世間の評価や価値観なんてコロコロ変わるから、ぜひ惑わされずに独立自尊で、自分がやりたいと思うことをやっていくのがいいんじゃないのかな。新しい時代の優れた女子なんだから、揺れて迷って、途中で進路変更してもいい、社会的影響なんて気にしなくていい。めんどくさくなったらケンブリッジでもハーバードでも行けばいいんです。行ける人なんだから(笑)」
ノブレス・オブリージュ、とはよく言ったもので、環境の良さや知性、教養に恵まれた人には、それゆえの社会的使命がある。芦田愛菜さんには、新しい時代の女子として自分の目指す道を自由に歩んでいってほしいと、漫画『有閑倶楽部』と聞いてリアルタイムで読んだあの頃を思い出してしまうような昔の女子たちは願うのである。
河崎 環プロフィール
コラムニスト。1973年京都生まれ神奈川育ち。慶應義塾大学総合政策学部卒。子育て、政治経済、時事、カルチャーなど幅広い分野で多くの記事やコラムを連載・執筆。欧州2カ国(スイス、英国)での暮らしを経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、政府広報誌など多数寄稿。2019年より立教大学社会学部兼任講師。著書に『女子の生き様は顔に出る』『オタク中年女子のすすめ~#40女よ大志を抱け』(いずれもプレジデント社)。
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