「ラニーニャ現象」発生で日本はどうなる?今シーズンの冬は寒さと大雪に警戒【気象予報士が解説】

いよいよ本格的に寒くなる季節が始まりましたが、今シーズンの冬は「ラニーニャ現象」が発生していることが大きな特徴です。ラニーニャ現象は日本の冬の寒さや雪の降る量にどのような影響を及ぼすのでしょうか。気象予報士が解説します。

「ラニーニャ現象」が発生すると日本への影響は?

本州でも初雪の便りが届き、いよいよ本格的に寒さが厳しくなる季節に突入しました。今シーズンの冬の大きな特徴は「ラニーニャ現象」が発生していることです。

ラニーニャ現象とは、南米・ペルー沖の海面水温が平年よりも低い状態が続く現象です。

赤道付近では、「貿易風」とよばれる東風が年間を通して吹いています。このため、太平洋熱帯域では、東風により暖かい海水がインドネシア近海の西部に吹き寄せられます。一方で、東部のペルー沖では東風と地球の自転の影響により、海の深いところから冷たい海水が湧き上がるため、海面水温が低くなります(図1)。

【平常時】
平常時の太平洋熱帯域 出典:気象庁ホームページ
(図1)​​​​平常時の太平洋熱帯域  出典:気象庁ホームページ
しかし、東風が何らかの影響で強まる年があり、太平洋上の海面水温の分布を大きく変えます(図2)。東風が強くなると、暖かい海水は平年よりも西へ流されるため、インドネシア付近では海面水温が平年より高くなり、太平洋東部のペルー沖では、冷たい海水の湧き上がりが強くなるため、海面水温が平年より低くなります。こうした状態になるのがラニーニャ現象が発生しているときです(反対に、東風が弱まってペルー沖の海面水温が平年より高い状態が続くことをエルニーニョ現象とよびます)。

【ラニーニャ現象時】
ラニーニャ現象発生時の太平洋熱帯域  出典:気象庁ホームページ
(図2)ラニーニャ現象発生時の太平洋熱帯域 出典:気象庁ホームページ
海面水温の高いところでは、積乱雲の発生が活発になり(図3)、上昇気流が強まります。この影響で、上空を吹く偏西風の流れが通常より北へ偏り、日本付近では南へ蛇行する傾向(図4)になります。すると、偏西風の北側にある寒気が日本へ流れ込みやすくなるため、ラニーニャ現象発生時は、日本では冬の寒さが一層厳しくなりやすいといえるのです。 
ラニーニャ現象の冬季の天候への影響  出典:気象庁ホームページ
(図3)ラニーニャ現象の冬季の天候への影響 出典:気象庁ホームページ
 
今季は偏西風が平年よりも南へ蛇行する傾向に
(図4)今季は偏西風が平年よりも南へ蛇行する傾向に
 

過去の「ラニーニャ現象」発生時は関東で大雪に

過去にラニーニャ現象が発生した年の冬の天候を振り返ると、統計的には目立った特徴はないものの、厳しい寒さや大雪となった事例があります。たとえば、前回ラニーニャ現象が発生していた昨シーズンの冬は、北陸などで大雪となり、大規模な車の立往生が発生しました。昨年12月15日から16日にかけて、新潟県・湯沢や群馬県・藤原では24時間の降雪量が1mを超え、観測史上1位の記録的な大雪になりました。関越自動車道では長期間に渡る通行止めが続き、約2100台の車両が巻き込まれるなど大きな影響が出ました。
 
また、2017年から2018年にかけての冬もラニーニャ現象が発生しました。大陸からの強い寒気の流れ込みが相次いだため、全国的に気温が低くなり、西日本では32年ぶりの厳しい寒さとなりました。冬型の気圧配置となることが多く、福井県福井市では37年ぶりに140cmを超える積雪を観測し、道路の通行止めや鉄道の運休、航空機の欠航などの交通障害や除雪作業中の事故が多発しました。また、関東でも南岸低気圧が通過した際は、広い範囲で大雪となり東京都心でも1月22日に23cmもの雪が積もりました(図5)。 
(図5)東京都心で23cmの積雪を記録(2018年1月23日、東京都目黒区)
 

今シーズンの冬は西・東日本で厳しい寒さに

この冬は、日本付近に北からではなく、西まわりで寒気が流れ込みやすい傾向が出ています。

>12~2月の日本列島はどうなる?
 

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