【マニアックな業界用語】芸人編
業界の人にとっては当たり前でも、一般的にはあまり知られてない用語っていくつかありますよね。そんなマニアックな業界用語を紹介していくシリーズ。今回は芸人編です。
「スベる」や「ドヤ顔」など、テレビなどで繰り返し使われることでいつの間にか一般的になることも多い芸人用語。最近だと「ガヤ」という言葉が『ウチのガヤがすみません!』と番組名に使われるほど、世間にも浸透してきていますよね。
今回は、数年後には当たり前になっているかもしれない「ちょっとだけマニアックな芸人用語」を紹介します!
「トチる」
本来は、失敗やミスをするという意味の言葉です。
元々は舞台用語で、歌舞伎や浄瑠璃の世界でセリフやしぐさを間違えたときに使われていた言葉が一般的になり、辞書にも載っています。早合点して間違えることを意味する「早とちり」もよく使いますよね。
ただ、芸人用語では主に「遅刻する」の意味で使われています。
舞台用語では出番に間に合わないことを「出トチ」といいますが、芸人用語ではそれが「トチる」そのものの意味として定着しつつあるようです。
これは筆者の推測ですが、芸人はセリフや出ハケなど舞台上の間違いは笑いに変えることができるが、出番に間に合わない、すなわち遅刻だけは挽回できない重大なミスだから、なのかなと。
「大事なプレゼン、緊張してめっちゃトチっちゃった(笑)」なんて会話は、数年後には全然笑えない意味になっているかも……。
「ニン」
その芸人が持っている雰囲気・らしさのこと。外見やキャラクター、パーソナリティや個性といえるものを総じて「ニン」と呼びます。
こちらも元々は歌舞伎の世界で使われていた言葉。たとえば線の細い二枚目の役者が弁慶を演じたり、逆に大柄で無骨な印象の役者が牛若丸を演じたりすると「ニンが合ってない」と批判されるわけです。
お笑いの世界でも、ニンはとても重要な要素。漫才の役割やコントの設定がニンと合っていないと、それを笑いどころとしていない限りは、ウケづらいネタになってしまうからです。
主にネタ見せのダメ出しなどで使われる言葉ですが、最近では芸人のラジオなどでも耳にするようになってきました。今や視聴者も賞レースのネタを採点してSNSに投稿する時代。「ニン」が当たり前に使われる日も近いかもしれません。
あなたのTikTokに「動きがニンと合ってて草」なんてコメントがつくのも時間の問題なのです!
「かかる」
大舞台や大事な局面で、前のめりになって空回りすること。元々は競馬用語で、馬が騎手の言うことを聞かずに前に出てしまうことです。
スポーツでいう「ゾーンに入る」のようなポジティブな意味で使われることもありますが、基本的には「大先輩との共演でかかっちゃってスベり倒した」といったネガティブな意味合いで使われます。
緊張する場面での空回りは芸人あるある。最近ではテレビのエピソードトークなどでも「かかる」が使われているのを見かけるようになってきました。今最も流行りそうな芸人用語といえるでしょう。
うん流行る! 間違いない! むしろ流行らせましょう! この記事をお友達にシェアするんです! さぁほら! やって! 今すぐだよ!
……すいません、かかっちゃってました。
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