中学受験といえば「2月1日」の本命入試がクライマックス——そう思っていませんか?
しかし今、首都圏の中学受験では、これまでとは異なる「新しい選択」をする家庭が増えています。過熱する受験競争のなかで注目を集める「早期決着」とは一体どのような動きなのか。千葉県の最新入試事情とともに解説します。
過熱する激戦と「1月までに終える」選択肢
2026年入試の私立・国立中学受験率は18.06%(首都圏模試センター推定、受験者数約5万2050人)。3年連続で18%台を維持し、高止まりしています。2027年入試も、同じレベルの厳しい戦いが続きそうです。その一方で、「1月までに受験を終える生徒が増えている」という話が聞こえてきます。
これを聞いて意外に感じる読者も多いのではないでしょうか。
中学受験をテーマにした漫画のタイトルが『二月の勝者』(高瀬志帆・小学館)であるように、中学受験の本命は2月1日前後、というイメージが強いです。1月には千葉や埼玉の入試もありますが、最終的には2月に本命を受験するというイメージが長く続いてきました。
では、なぜ1月までに受験を終える子が増えているのか。まずは、その動きが目立つ千葉から見ていきましょう。
なぜ12月・1月に受験を終える? 千葉の「第一志望入試」に受験生が集まる理由
首都圏でいち早く受験を終えられるのが千葉です。千葉の私立中学には「第一志望入試」というものがあります。合格したら進学することを前提にした入試で、12月に行われます。小学校の成績を問わないことが多く、筆記試験の成績で合否が決まる学校が多いです。特に志願者が集まっているのが、八千代松陰、千葉明徳などです。八千代松陰や千葉明徳は千葉市の西側・北西側にあります。いずれも「ここに行きたい」と決めて受け、合格したあとそのまま進学を決めるケースが目立つといいます。
「千葉県の第一志望入試は、去年ぐらいから受験生が増えています。特に八千代松陰、千葉明徳といった学校に志願者が増えています」(栄光ゼミナール入試情報センター責任者 藤田利通先生)
藤田先生によると、同じ千葉県内でも、地域で傾向は違います。専修大学松戸(専大松戸)や芝浦工業大学柏(芝浦工大柏)など、柏周辺の学校では、一般入試を受ける都内の受験生が増えているとのことです。
この2校は大学の付属校でありながら、進学校としても人気があります。大学との連携で、探究学習に力を入れている点も支持されています。高校入試の専大松戸は、内申点を求めない一般入試の割合が大きいです。そのため都内でも、「学力はあるが、内申が伸び悩んでいる」生徒が受けに来る高校です。学力を重視し、大学の一般選抜を目指す方針が伝わってきます。
こうして見ると、対照的な構図になります。千葉市より東側などでは、地元の受験生が12月の第一志望入試で進学先を決める動きがあり、一方、柏周辺では、都内からの受験生が増え、一般入試が中心になります。
第一志望入試を行っているのは、中堅校が中心ですが、例外が東邦大学付属東邦(東邦大東邦)です。理系教育に強く、医学部への進学者も多い難関校です。都内からの第一志望者も多く、県内の第一志望者と重なって高倍率になるとのことです。難関層でも、12月のこの入試で合格し、そのまま進学先を決めてしまう子が一定数いるようです。



