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最短ルートで教授になりたい人は法医学が穴場?
ところで、若いうちに「医学部の教授になれる」のも法医学者のメリットかもしれません。医学部で教授になれる年齢は、一般的には50歳前後が多いといわれています。しかし、法医学者の多くは、40代前半までに教授に就任しています。理由は単純、人が少ないからです。
現在、日本国内には約150人の法医学者がいますが、うち教授は医学部の数と同じ82人。
「医学部に進んで、とにかくなんでもいいからさっさと教授になりたい」という戦略をもって割り切れる人であれば、法医学は穴場です。
また、法医解剖医のなり手が少ないのは日本に限らず、アメリカ、欧州諸国など世界共通の傾向です。やはり、「医師を目指す以上は、臨床医になりたい」と考えるのが圧倒的多数派でしょう。
一般臨床医と比較すると、大学教員である法医解剖医は、国立大学では準公務員のような立ち位置になります。そのため、給与面では一般病院で働く専門医のほうが圧倒的に高い。
診療科によっても給与は異なりますが、医師は病院でのスポット勤務という形での助っ人が可能です。その給与が固定給にプラスされるため、高収入を得やすい。
ところが、警察と連携して動く法医解剖医の場合は、「スポットで解剖に行きます」という仕組みがなかなかありません。
解剖も日に何体も上乗せできるものではありませんから、平均年収で比較したらほかの臨床医より低めになることは、デメリットといえるかもしれません。 この書籍の執筆者:飯野 守男プロフィール
1971年鳥取県米子市生まれ。法医解剖医。鳥取大学医学部教授(法医学分野)、副学部長。解剖学者である父の影響を受け、中学生の頃に法医学の道を志す。鳥取大学医学部卒業後、大阪大学大学院にて博士(医学)を取得。京都大学、大阪大学、慶應義塾大学での勤務を経て、2015年より現職。アジア太平洋地域の法医学機関との学術交流にも力を注いでいる。趣味はサイクリング。



