なぜ富裕層はオーストラリアを捨て「ギリシャ・アジア」を目指すのか? 激変する教育移住のいま

子どもの「本物の英語力」を求め、家族で海外移住する富裕層が増加中。国内インターの課題や「投資家ビザ」を活用した家族移住の仕組み、物価高の中で注目のギリシャなど最新事情を専門家が解説。(画像出典:PIXTA)

※画像はイメージ(画像出典:PIXTA)
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子どもの教育のために家族で海外に移住する動きが、富裕層を中心に広がっています。背景にあるのは、日本ではグローバルに通用する英語力が身につかないという問題提起です。

英語の重要性がさかんに叫ばれ、日本の学校でも英語の授業に力を入れ始めてはいるものの、限界があるのも現実です。そこで、子どもに本物の英語力をつけさせるために環境ごと海外へ移す選択肢が注目されています。

国内インターでは「本物の英語力」が身につかない

「英語は若い人ほど上達が早いです。高校生や大学生で留学するのと小学校1年生から海外の学校に行くのとでは、断然小学1年生の方が早い。小学校1年生なら現地の学校に入って数カ月で、普通に英語で会話するようになります」

そう語るのは、海外移住コンサルティングを手掛けるアエルワールド代表取締役の大森健史さんです。

子どものために海外移住する芸能人のニュースが時に話題になりますが、海外の学校で英語漬けの生活を送れば確実に英語力が身につきます。一時期は日本国内のインターナショナルスクールも人気を集め、多くの家庭が選択していました。

しかし大森さんは、「いまはインターナショナルスクールも日本人ばかりが目立つようになり、グローバルな環境が薄れてしまっています」と指摘します。

日本経済が強かった時代は、多くの外資系企業が進出し、エリート外国人の子どもたちがインターナショナルスクールに多く通う「小さなグローバル社会」が存在していました。質の高い英語漬けになれる環境だったのです。

しかし現在は、日本市場が通り過ぎられる「ジャパン・パッシング」の状況となり、外国人子弟が減少。結果として日本人が入りやすくなり、保護者が望むような英語漬けの環境ではなくなってきています。

ハードルを越えるための「投資家ビザ」と生活環境の確保

そこで浮上したのが、小学生のころから海外の学校に通わせる「海外移住」です。とはいえ小学生の単身留学は現実的ではないため、保護者も一緒に行く形になります。

「当社が教育のための海外移住コンサルティングを始めた2007年ごろは、子どもとお母さんだけが行く『親子留学』がほとんどでした」と大森さん。

当時はビザの関係で父親も含めた家族全員の移住は難しかったものの、調査を重ねる中で「投資家ビザ」を利用すれば可能だと判明。2010〜2011年ごろから、家族での海外移住サポートを本格化させました。

投資家ビザとは、その国に一定の投資を行うことで長期滞在や永住権を得る仕組みです。例えばアメリカの場合、指定地域であれば80万ドル以上、その他の地域では105万ドル以上の投資といった条件があります。

また、オーストラリアでも日本円で1億円ほどの国債購入などを条件としたビザがありましたが、条件の1つにある「55歳未満で成功した経歴」の証明が難しく、弁護士を交えて当局と交渉するなど高いハードルがありました。個人で取得するのは容易ではないからこそ、専門ノウハウを持ったコンサルティングが必要とされます。

さらに家族移住では、住環境の確保も欠かせません。子どもの送迎義務への対応や、毎日の食事の買い物に便利な立地、そして日本とは異なる治安面への配慮など、親も生活するからこその考慮事項が多く存在します。
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