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総合型選抜が拡大する中での予備校の役割
現在、予備校が抱える問題は2つ。まずは講師の採用が難しいという点だ。かつては優秀な学生が大学を中退するなど、ドロップアウトしたため、就職できず予備校の講師になるといったケースも多かった。しかし、今は、IT業界という「学歴不問」の業界がある。実際、最近も東大を中退した学生がベンチャーのIT企業に就職し、プログラマーとして活躍している。20代半ばで年収は1000万円を超える。
そのため、予備校に人材が流れてこなくなっているのだ。かつてのように大教室での授業はないのでそうは稼げる仕事ではなくなっているからだ。
また、現在、大学入試の半分が推薦・総合型選抜になっている。将来的には全ての入試が推薦・総合型選抜になっていくだろう。そうなると、一般選抜向けの対策は不要になっていく。
現在、塾業界が個別指導中心になってきたのは、推薦・総合型選抜では評定平均値が重要視されるため、それを上げていく指導が求められるからだ。
ただ、北海道大学や東北大学の総合型選抜は学力重視である。私大も学科試験重視のものが多い。評定平均値と学科試験の得点で合否を決める入試が増えていくだろう。
アメリカの大学入試は全て総合型選抜だが、難関大学の入試では、高校の成績以外にSATという共通学力テストのスコアが求められる。マイケル・サンデルの『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(早川書房)の中では、「SAT対策産業は10億ドル規模の産業となった」とあり、アメリカで巨大産業になっていることが指摘される。それを見ていると日本の予備校の役割もまだまだなくならないように見えるのだ。
この記事の執筆者:
杉浦 由美子
ノンフィクションライター
キャリア20年の記者。『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。
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