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悠仁さまを支える父としての役割
現在の天皇が、昭和天皇のように生涯にわたって天皇であり続けるのか、それとも現在の上皇のように生前に退位するのかは定かではないが、どちらにしても、そこで秋篠宮が天皇に即位したとしたら、62歳で即位した光仁天皇を抜いて、最高齢で即位した天皇になることはほぼ間違いない。
本人も、自分が天皇になるとはほとんど考えていないのではないだろうか。
さらに、その子息である悠仁親王は皇位継承順位第2位と位置づけられている。
愛子天皇待望論がいくら高まりを見せたとしても、現状では愛子内親王が次の天皇に即位することはない。その点で、悠仁親王は実質的に次の天皇と見なされている。
秋篠宮は、自分には天皇になる可能性は乏しいのだが、息子のことは天皇にしなければならないと思っているはずなのである。
「宮中祭祀」を司ることもない秋篠宮
将来天皇になる可能性が高い親王には「帝王学」が授けられるとされているが、秋篠宮にその機会はめぐってこなかった。兄である現在の天皇から、それを授かることもないであろう。
ところが、息子にはそれを授けなければならない。このことが、愛子天皇待望論にも結びついていくわけだが、秋篠宮には帝王学を授けようがないのだ。
明治以降の皇室では、天皇の役割として「宮中祭祀」を司ることが重要視されてきた。大祭においては、天皇が直接神主役となって祭祀を営む。明治天皇や大正天皇は宮中祭祀に熱意を持っていなかったとも言われるが、昭和天皇以降は、かなり熱心にそれを行ってきた。
ところが、秋篠宮は宮中祭祀に参列しても、自ら祭祀を司ることもないのである。
天皇であれば、日本の象徴、日本国民統合の象徴として、国内外において果たすべき重要な役割がある。とくに皇室外交では、その主役として、諸外国の元首などと対等の立場で交わることができる。
そうした機会が秋篠宮にめぐってくることもあるが、海外から元首としてみなされるわけではない。
「自分は何のために生まれてきたのか」
私が秋篠宮であったとしたら、幼い頃からそう自分に問い掛けることになったであろう。
立場があまりに曖昧で、どうふるまったらいいか、その答えを見出すのはかなり難しいのではなかろうか。
この書籍の執筆者:島田裕巳 プロフィール
1953年、東京都生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了(宗教学専攻)。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、東京女子大学非常勤講師を歴任。現代における宗教現象、新宗教運動、世界の宗教、葬式を中心とした冠婚葬祭など、宗教現象について幅広く扱う。



