愛子さまの卒論は「恋の和歌」。秋篠宮家とは異なる“学習院の王道”で開花した才能

コロナ禍で4年生まで大学に通えなかった愛子さま。そんな「難き時代」を乗り越え、卒業論文に選んだのは皇室の伝統である和歌でした。上皇后美智子さまの後継者とも称される、愛子さまの類まれなる感性に迫ります。(画像:REX/アフロ)

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宮中行事「歌会始」に受け継がれる和歌の伝統

和歌は、漢詩と対照される日本語の詩ということになるが、和歌を詠むことは古来、天皇や公家のたしなみとされてきた。

だからこそ式子内親王も多くの歌を詠んだのであり、天皇や上皇によって撰者が指名される勅撰集には多くの歌がおさめられてきた。

宮中において、和歌がいかに重要かは、毎年一月に開かれる「歌会始」に示されている。これは鎌倉時代のはじめから続く皇室の伝統行事である。

愛子内親王はその和歌に着目した。

これまで、大学で和歌の研究を行った皇族は存在しないのではないだろうか。

愛子内親王ならではのスケールの和歌

愛子内親王が和歌を研究テーマに選ぶ上で、祖母である上皇后の歌が大きく影響していた可能性は十分に考えられる。そもそも和歌は皇室の伝統である。

内親王の研究の成果は、2024年の歌会始(お題は「和」)で詠まれた「幾年の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ」に示されている。

難き時代とは、直接には内親王が大学に入学した年から経験したコロナ禍のことをさすのであろう。愛子内親王が大学で対面授業を受けたのは四年生になってからだった。

だが、日本の社会がこれまで経験してきたさまざまな苦難を含むものとも解釈することができるわけで、歌としてのスケールは相当に大きい。内親王ならではの歌とも言える。

しかも、前年2023年の歌(お題は「友」)は「もみぢ葉の散り敷く道を歩みきて浮かぶ横顔友との家路」というもので、いかにも若者が詠む和歌だが、それと比較した場合、一年の間に歌の技量が相当に進歩しているようにも感じられる。

私はこれまで、毎年上皇后の歌に着目し、いくたびも感銘を受けてきたが、その後継者が生まれたのではないかと感じている。

そこに学習院で学んだということがどこまで影響を与えているかはわからないが、少なくとも国際基督教大学に進んでいたら、和歌を研究することはなかったであろう。

そうなれば、「幾年の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ」という歌も詠まれなかったはずである。

日本人にとって皇室とは何か
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この書籍の執筆者:島田裕巳 プロフィール
1953年、東京都生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了(宗教学専攻)。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、東京女子大学非常勤講師を歴任。現代における宗教現象、新宗教運動、世界の宗教、葬式を中心とした冠婚葬祭など、宗教現象について幅広く扱う。

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