恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第124回

南海電鉄の新・観光列車「GRAN 天空」は“高野線の救世主”となれるか。100年ぶりサービス復活の勝算

2026年4月24日、関西の大手私鉄・南海電鉄の新しい観光列車「GRAN 天空」が華々しくデビューした。この列車は大阪ミナミのターミナル駅・なんばから高野山の麓の駅・極楽橋駅を1時間半ほどで結ぶ新しい趣向の車両だ。その誕生の背景を探ってみた。

鉄道各社の「座席指定」シフト。運賃以外の収益をどう生み出すか

なんばパークス
なんば駅周辺の再開発。かつての大阪球場跡地にできた商業施設なんばパークス
その対策としては、不動産や商業施設など鉄道以外の事業の展開や、鉄道事業において運賃以外の収益が可能な座席指定列車の充実などが挙げられる。これに関しては、首都圏でも関西圏でも大手鉄道会社は競って取り組んでいる。

南海電鉄も高級ホテル誘致やオフィスなどの入った「なんばパークス サウス」の開業などターミナル・なんば駅の再開発を着々とすすめている。

本業の鉄道では、有料特急を多数運行して目立っている。本線筋ではなんば駅と関西空港駅を結ぶ空港アクセス特急「ラピート」が人気だ。

高野線では、高野山や沿線通勤者向けの座席指定特急を運行しているが、今回の「GRAN 天空」は高野線の活性化にどう影響するか注視していきたい。

南海電鉄としては100年ぶりという「GRAN 天空」での供食サービスの復活も話題だ。これをきっかけにさらなる展開があるのかどうか? 気になるところである。

取材協力=南海電気鉄道、「GRAN 天空」PR事務局
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この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(ともに平凡社新書)がある。
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