南海電鉄の新・観光列車「GRAN 天空」は“高野線の救世主”となれるか。100年ぶりサービス復活の勝算
2026年4月24日、関西の大手私鉄・南海電鉄の新しい観光列車「GRAN 天空」が華々しくデビューした。この列車は大阪ミナミのターミナル駅・なんばから高野山の麓の駅・極楽橋駅を1時間半ほどで結ぶ新しい趣向の車両だ。その誕生の背景を探ってみた。
1万円超の豪華ソファ席も。「GRAN 天空」の編成と気になる料金
2号車ワイドビュー・シート
「GRAN 天空」は4両編成で、1号車はリラックスシートと呼ばれ、リクライニングシートが並ぶ。普通の特急列車とあまり変わるところはない。
2号車はワイドビューシートで窓を向いた座席が並ぶ。これは先代の「天空」でおなじみの観光用車両だ。
3号車はロビーラウンジでカウンターでは飲食やお土産など買い物ができ、4号車はグランシートおよびグランシートプラスと呼ばれ、ソファ席で食事が楽しめる。
4号車グランシートおよびグランシートプラス。ソファーで食事を楽しめる
その料金だが、1号車と2号車は、全区間乗車しても運賃プラス1700円(大人1名)であるのに対し、4号車は食事付きが1万1230~1万4180円、食事なしワンドリンク付きでも5510~6260円とかなり高額となる。
特急よりも急行? 現場で観察して見えた、高野山乗客のシビアな目
橋本駅で極楽橋駅からの普通列車に接続する急行(左)と特急(右)
あえて、リーズナブルな価格の車両から高額な車両まで幅を持たせたのはなぜだろうか? おそらく、高野山への訪問客は高級志向のレジャー客ばかりではないからだと思われる。
頻繁に訪問する参拝客はできればリーズナブルな車両を好むであろう。あるいは、関西圏という地域の特性もあるかもしれない。
なんば駅で発車を待つ特急「りんかん」橋本行き
実際、高野山からの取材帰りに超満員の普通電車で橋本駅に到着した後、乗客の行動を観察してみると、接続する特急「りんかん」に乗り換えた客は少なく、大半は特別料金不要の急行なんば行きに乗り換えていた。
橋本駅~なんば駅の所要時間は急行でも50分なので、ロングシートの車両でも充分と思っている人が多いようだ。