「自分責め」を手放す“心の筋トレ”
一方で、同じように優秀でもつぶれない人も存在します。その違いは、土台の強さにあります。安心できる環境や信頼できる人間関係、そして無条件に受け入れられる経験を持っている人は、たとえ仕事でつまずいても立て直すことができます。
また自分を追い込み過ぎる前に辞める勇気も持てるものです。自己実現欲求の領域で積み上げたものが崩れても、再び築き直すことができるのです。
では、どうすればその状態に持っていけるのか。
重要なのは、成果や役割は関係なく、「自分という存在そのものを認めること」。言い換えれば、自分を責めることをやめて「無条件に自分を認める」ということでもあります。
ただし、「無条件に自分を認める」ということは頭で理解したからといって、すぐにできるようになるものではありません。長年の思考の癖や捉え方があるため、“思考の訓練”が必要になるのです。
自分を認めると「人間関係」が変わる
私は、現在講師として教えている人間心理学「センターピース」という講座に32歳のときに出会い、長年に渡って学び続けることでこの感覚を身につけてきました。現在では私自身もこの心理学講座をこれまで約100回開催しています。「無条件に自分を認める」筋力を育むプロセスは、歯の矯正のように、時間をかけて行っていくものです。自分のものの見方や感じ方を少しずつ変えていくことで、存在としての自分を認めるという感覚が育っていくのです。
また、自分に対する態度は、そのまま他人への態度につながります。自分を責めている人は他人にも同じように責めてしまいます。反対に、無条件で自分を認められる人は、他人を無条件で認めることができるのです。
だからこそ、まずは自分を認めることが大切です。そして、人とのつながりを見直し、心を許せる仲間や家族、パートナー、コミュニティーを作ること。それが、優秀であり続けながらもつぶれないための土台になっていきます。
また、無条件に自分を認めるスキルを身につけることで、つぶれにくくなるだけでなく、周囲との関係も自然とよくなります。
結果としてチームで成果を出せる状態へとつながり、プライベートでも良好な人間関係を育み、公私共に充実した人生を歩めるようになるのです。
お話を聞いたのは:亀井弘喜さん
心理カウンセラー・セミナー講師/東北大学卒業後、外資系コンサルティング会社を経て人材業界に転身し、営業として高い成果を上げるとともに組織マネジメントにも従事。その後独立し、コーチングや心理学をベースに、キャリアや人間関係など人生全般の意思決定を支援するセミナー・講座を展開している。これまでの受講者は1500人以上、相談者は延べ1万人以上にのぼる。2025年には株式会社PBRを設立し、外食事業にも参入。/著書『最強の俯瞰思考』(KADOKAWA 2025年12月発売・重版決定)
この記事の執筆者:廣田美絵子
化粧品会社の人事部にて採用・教育業務に従事した後、広報を担当。教育関連企業へ転職し、広報業務を中心にキャリアを重ねる。現在はフリーランスとして活動し、キャリアコンサルタントとしても人のキャリアや働きがいをテーマに執筆・発信を行っている。



