しかし精神科医・和田秀樹氏は、『落ち込まない 考えすぎない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、「失敗を恐れる不安は、成功の確率を高めない」と指摘します。
不安に飲み込まれるのではなく、建設的に考えることで、失敗は次への糧に変えられる。今回は本書より一部抜粋・編集し、挑戦を遠ざける“失敗への恐れ”との向き合い方を紹介します。
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真面目な人ほど自分を責める。「失敗への不安」が成功を遠ざける理由
「人は他人の失敗なんて気にしていない」といわれても「例えば仕事の失敗はそうもいえないのではないか」と思われるかもしれません。確かにそうです。仕事上の失敗で、会社やクライアントに迷惑をかけたり、上司からの評価が悪くなったりすることは十分に考えられます。
上司も会社もクライアントも、失敗などなかったかのように忘れてくれないこともあるでしょう。その後、仕事を任せてもらえなくなったり、査定が悪くなったりするなどの影響があるかもしれません。
ただ、公序良俗に反する行為や、極度の職務怠慢でもなければ、仕事で失敗したことを理由にクビになることは、解雇事由が厳しく制限されている日本では基本的にはあり得ません。会社から、追放されるわけではないのです。
そうはいっても、失敗すると、他人がどう振る舞うかに関係なく、どうしても自分で自分を責めてしまいます。「自分は無能だ」「迷惑をかける自分は、価値のない人間だ」などと自己否定の嵐が、心の中で吹き荒れます。真面目で責任感が強く、仕事に真摯に取り組む人ほど、その傾向が強いといえます。
しかし、やる前から失敗することを恐れて、不安になるのは、やはり無意味で無駄なことです。不安になっても、成功する確率が高くなるわけではないからです。さらに失敗を恐れて、挑戦できなければ、成功はありません。
大谷翔平はどう考えている? プレッシャーに強い人の発想
大谷翔平選手はバッターボックスに立っているとき、どんなことを考えているのでしょうか。実際のところは本人に聞いてみなければわからないことですが、少なくとも大谷選手が「ここで絶対にホームランを打たなければ」とか「失敗したらどうしよう」と、恐れと不安で頭の中がいっぱいということはないはずです。もし何か思うところがあるとすれば「ベストを尽くし、思い切ってプレーする」でしょうか。
「絶対に負けられない」「勝たなければいけない」などと結果を強く意識すると、よいパフォーマンスは発揮できません。「目の前のやるべきことに集中する。そうすれば結果はついてくる」という発想になることで、実力を十分に発揮できるのです。これはスポーツだけではありません。



