チャレンジ校か安全校か。ファイナンスのプロが語る「中学受験」と「資産運用」の“全く同じ構造”

中学受験の志望校選びは、金融のプロが行う「ポートフォリオ戦略」と同じだった? リスクとリターンを冷静に見極め、チャレンジ校と安全校を最適に組み合わせるファイナンス思考を解説します。(画像出典:PIXTA)

“卵を1つのカゴに盛るな”—— 全落ちを防ぐ「分散」と「相関」の考え方

投資の世界では、無数のポートフォリオ(資産の組み合わせ)が考えられます。

その中で「最適なポートフォリオ」をつくるには、何を基準にすればいいのでしょうか。

ここで重要になるのが「分散」と「相関」という考え方です。

「分散」とは、卵を1つのカゴに盛るな(Don,t put all your eggs in one basket.)という格言で知られるように、投資先を1つに集中させず、複数に分けること。

そして「相関」とは、値動きの関連性のことです。

たとえば株式を特定業界に集中させると、その業界が不調になれば全滅してしまいます。

だから複数業界に分散し、かつ値動きが逆の資産(逆相関)を組み合わせるわけです。

晴れの日に儲かるかき氷屋と、雨の日に儲かる傘屋の両方に投資するイメージです。

中学受験でも、試験日や出題傾向が近い学校ばかり受けると、最初に受けた試験の結果が芳しくない場合に影響を引きずってしまうかもしれません。

そこで毛色の違う学校を組み合わせることで、リスクを分散し、チャンスを広げる。

これも「分散」と「相関」を意識した戦略です。

偏差値だけに振り回されない。親として学んだ「リスクの取り方」

私自身も、親として、子どもの中学受験を経験しました。

限られた時間の中で、模試の結果に一喜一憂しながら努力を続けるわが子の姿を見ていると、親のほうが試されているようでした。

模試の成績が少し上がると「チャレンジ校も受けようか」と夢を描き、思うように結果が出ないと「安全校を中心にしようか」と揺れる。

まさに、リスクとリターンのバランスをどこでとるかという判断の連続です。

それでも最終的に、本人が笑顔で受験を終え、楽しそうに通学している姿を見て気づきました。

「リスクをとりすぎてもいけない」
「でも、怖がって何も挑戦しなければ、リターンも得られない」

リスクを完全に排除することはできないけれど、その性質を理解し、自分に合ったリスクのとり方を選ぶ。

これから大人へと成長していく中で、自分の力で適切にリスクをとりながら自分の人生のリターンを最大化できるようなたくましい子に育って欲しいと、心から願っています。
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偏差値だけに振り回されない。親として気づいた「本当のリターン」とは
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