難関対策塾はSAPIXの方がメリットは多い
こう書くと早稲アカはいいことばかりに見えますが、課題もあります。まず、校舎が多いので校舎によって当たりハズレが出やすいことです。これは多くの大手塾の問題点ですが、校舎の数が増えるほど当たり外れも多くなるでしょう。
もう1つの課題はテキストです。早稲アカが使用する「予習シリーズ」は近年難化し、消化不良を起こす生徒も少なくありません。
一方で、最難関校対策という点では、思考力対策に優れるSAPIXのメソッドと教材に軍配が上がります。
早稲アカをSAPIXと比較すると、校舎が多い分、当たり外れがあるのと、テキストの質がデメリットということになります。
それでも早稲アカが生徒を集めているのは、中学受験市場は成熟期に入り、単に「合格実績が高い」だけでは生徒を集めにくい時代になったということです。
共働き家庭のニーズに合わせ、幅広い学力層を支援できる仕組みを整えた早稲アカの戦略が時代に合ったと言えるでしょう。
SAPIXは「優れたテキストと講師をそろえ、難関校対策を最優先する」という美学が強みである一方、早稲アカの“利便性”が、その牙城を崩しつつあります。中学受験塾の勢力図は、今まさに大きな転換点を迎えているのです。
今回は、中学受験でSAPIXが生徒数を減らす一方で、「早稲田アカデミー一強」時代へ変化した理由について言及しました。次回は中学塾業界の成熟についてもう少し詳しく書いていきます。
【この記事の後編】
【タワマン文学の終焉】SAPIXという「幻想」の終わり。SAPIXから早稲アカへ流れる親たちの“変化” この記事の執筆者:四谷 代々 プロフィール
塾の偏差値表やパンフレットには載らない、学校ごとの「カラー」や「本当の校風」を熟知する中学受験関係者。しがらみのない立場から「塾や学校が親に絶対に言わない不都合な真実」を発信する。



