2位 『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』
同名漫画の映画化作品で、何より重要なのは、かわいい絵柄ながら、戦争の残酷さをPG12指定納得の描写で示していること。主人公の青年2人が対照的な性格ながら価値観や気持ちを同じくするシーンが尊く、ほかのキャラもわずかなセリフから伝わる心理からとことん愛おしくなり、さらにはアニメだからこその演出に感涙できる内容になっていました。無惨に人が死んでいく戦場の過酷さはもちろん、太平洋戦争における「お国のために命を捧げる」といった全体主義の価値観が、当時の人々の運命をいかに歪ませてしまったのか、ということも思い知らされるでしょう。映画の「その先」も描かれている原作漫画を「外伝」も含めてぜひ読んでみてほしいです。そして、上白石萌音による主題歌『奇跡のようなこと』の歌詞のひとつひとつを、噛み締めるように聞き入ってください。
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1位 『トリツカレ男』
同名小説のアニメ映画化作品で、事前に「敬遠されそう」という声も上がっていた個性的な絵柄は「この絵だからこそいいんだ!」となり、一途なラブストーリーが意外なところに行き着く物語も、Aぇ! group・佐野晶哉と上白石萌歌の歌声も、全てが絶賛に次ぐ絶賛に染められた作品です。原作からのアレンジやリスペクトも完璧というほかなく、見るたびに発見がある作り込みもあって、これからも名作として語り継がれることは間違いないでしょう。12月下旬現在は多くの劇場で上映が終了しているものの、圧倒的な口コミ効果で満席が続出したことによる上映の延長や、これから新たに上映が始まる劇場もあるため、ぜひ公式Xなどを参照しつつ、年末に最優先で見てほしいです。さらに、大好評を博した「号泣(ハンカチ付き)上映」が、TOHOシネマズ新宿&梅田にて12月24日にも開催が決定しています。クリスマスに見るのにもピッタリなので、ぜひこの機会も見逃さないでください。
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