5:『ワン・バトル・アフター・アナザー』と『ズートピア2』を連想した理由
この『エディントンへようこそ』を見て、真っ先に連想したのは、『ワン・バトル・アフター・アナザー』でした。 両者は一触即発のバトル×ブラックコメディー×現代アメリカの風刺ということが共通していますし、不条理な作劇に冷静な視点を込めつつも「狂ったこの世界でのか細い希望」をも示しているようなスタンスが、似ているように思えたのです。さらに、歴史的な大ヒットスタートを切った『ズートピア2』は、もちろん『エディントンへようこそ』とは似ても似つかないような作風でありながら、「分断と排除」の問題から起こる騒動には、かなり似たものを感じられました。 また、『ズートピア2』では「陰謀論を語るポッドキャストを配信しているビーバー」が登場します。彼女はとても魅力的で、味方になる過程も含めて面白くはあるのですが、「陰謀論者をこんなに単純に肯定してしまって良いものか?」とも思ってしまいました。
そちらにモヤった人は『エディントンへようこそ』での「陰謀論にハマったり危険な言説に扇動される危うさ(魅力も)」を描いた本作のほうが納得できるかもしれません。『ズートピア2』での問題がエスカレートすると、『エディントンへようこそ』でのさらにひどい状況につながるのかもしれないと、両者を見てこそ思えたのです。
劇中のキャラクターの行動は側から見れば滑稽(こっけい)で愚かかもしれませんが、それでも「必死で戦っている」は確かに間違いないでしょう。願わくば、この映画を見た人もまた、自分なりに(あるいは反面教師にして)、大きな力に立ち向かう方法を見つけていってほしいです。(民主主義の考え方は、パンデミックによって完全に終わってしまったのかもしれないが)それでも僕たちは、大きな力に立ち向かう方法を見つけなければならないと思う。この映画の登場人物たちは、意識しているかはわからないけど、みんなその戦いを必死にやっているんだ。



