ヒナタカの雑食系映画論 第203回

『エディントンへようこそ』を見る前に知りたい5つのこと。『ズートピア2』へと「接続」する理由

『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』のアリ・アスター監督の最新作『エディントンへようこそ』はとても面白い「炎上スリラー」でした。実は『ズートピア2』に似ている要素も含め、見る前に知ってほしい5つのポイントを解説しましょう。(C)2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.

5:『ワン・バトル・アフター・アナザー』と『ズートピア2』を連想した理由

この『エディントンへようこそ』を見て、真っ先に連想したのは、『ワン・バトル・アフター・アナザー』でした。
両者は一触即発のバトル×ブラックコメディー×現代アメリカの風刺ということが共通していますし、不条理な作劇に冷静な視点を込めつつも「狂ったこの世界でのか細い希望」をも示しているようなスタンスが、似ているように思えたのです。

さらに、歴史的な大ヒットスタートを切った『ズートピア2』は、もちろん『エディントンへようこそ』とは似ても似つかないような作風でありながら、「分断と排除」の問題から起こる騒動には、かなり似たものを感じられました。
また、『ズートピア2』では「陰謀論を語るポッドキャストを配信しているビーバー」が登場します。彼女はとても魅力的で、味方になる過程も含めて面白くはあるのですが、「陰謀論者をこんなに単純に肯定してしまって良いものか?」とも思ってしまいました。

そちらにモヤった人は『エディントンへようこそ』での「陰謀論にハマったり危険な言説に扇動される危うさ(魅力も)」を描いた本作のほうが納得できるかもしれません。『ズートピア2』での問題がエスカレートすると、『エディントンへようこそ』でのさらにひどい状況につながるのかもしれないと、両者を見てこそ思えたのです。
エディントン
(C)2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.
いずれにせよ、こうして現代の問題をフィクションとして反映した面白いエンタメが立て続けに生まれるというのはうれしい限り。最後に、アリ・アスター監督の「希望」を示した言葉も紹介しておきましょう。

(民主主義の考え方は、パンデミックによって完全に終わってしまったのかもしれないが)それでも僕たちは、大きな力に立ち向かう方法を見つけなければならないと思う。この映画の登場人物たちは、意識しているかはわからないけど、みんなその戦いを必死にやっているんだ。

劇中のキャラクターの行動は側から見れば滑稽(こっけい)で愚かかもしれませんが、それでも「必死で戦っている」は確かに間違いないでしょう。願わくば、この映画を見た人もまた、自分なりに(あるいは反面教師にして)、大きな力に立ち向かう方法を見つけていってほしいです。
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