人気が出るには理由がある
さて、ここまで来年の動向を見てきましたが、こうしてデータを眺めてみると感慨深いものがあります。というのも、筆者自身は、20年以上にわたって首都圏200校以上の学校を見てきたからです。
その経験から、世間ではあまり話題になっていないけれど、いい学校だなと感じた学校の人気が出てきました。
伸びている学校の共通点は、やはり目指す教育を実直に行ってきた学校です。もちろん20年前から教育内容が全く変わっていないということではありません。特にこの数年、時代の変化とともに教育に求められることは変わってきていますから、そこに柔軟に対応しつつも、軸がぶれていない学校と言えばいいでしょうか。
さらに言えば、取材をしていて「この学校には教育に対する情熱や愛があるな」と感じられる学校は、時代の変化を超えて残っていく印象です。
今の中等教育のトレンドは、「探究教育」「グローバル教育」「STEM教育」だと言われています。それらは全て、これからの時代を生きる子どもたちが社会に出てから不可欠な力を育む重要なトピックであることは間違いありません。
しかしそれらはあくまでもツールであり、何のためにそうした教育を行うのかという目的、理念を見極める必要があると筆者は思います。
学校選びでよく聞くのが、「どこも同じようなワードが出てきて、違いが分からない」という声です。その違いを見極めるポイントは、その教育を何のためにしているのかがはっきりしているかどうかです。
説明会でそれが伝わって来なかったら、直接質問をしてみるといいでしょう。そこがはっきりしている学校は、どの先生に聞いても明言できるはずです。
最終的には、ご自分の目で見ること以外に方法はありません。学校選びをする時には、ご家庭の受験軸(何のために受験をするのかという目的とどういう受験にしていくのかという方針)を確認するとともに、学校の教育軸(教育理念と教育方針)を見極めて、最後まで諦めずにわが子にとって最高の合格を勝ち取る受験校選びをしてください。
拙書『中学受験 親子で勝ち取る最高の合格』(青春出版社)では、受験軸の作り方、学校選びの10のポイントを紹介しています。参考にしてください。
この記事の執筆者:中曽根 陽子
数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストとして、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエーティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。お母さんが幸せな子育てを探究する学びの場「マザークエスト」も運営している。『<中学受験>親子で勝ちとる最高の合格』(青春出版社)、『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)など著書多数。



