ヒナタカの雑食系映画論 第192回

映画『チェンソーマン レゼ篇』で原作者・藤本タツキが明言した「元ネタ」映画10選を一挙解説

映画『チェンソーマン レゼ篇』の入場者特典のガイドブックにて、原作者の藤本タツキはインスピレーションを受けた映画作品を明言していました。ここではその10作品を解説しましょう。(※画像は筆者撮影)

7:『地獄でなぜ悪い』(2013年)(※かもしれない)

デンジがレゼに舌を食いちぎられるシーンにおいて、藤本タツキが「何かの映画でキスをしたらガラスを食わされているシーンがあって、それがいいなと思って」と語っている映画は、おそらくは『地獄でなぜ悪い』でしょう。

同作はPG12指定止まりとは思えないほどの、血しぶきが出まくる過激な映画撮影を描いた作品。キスでガラスを食わせてくる俳優は二階堂ふみで、その相手は星野源でした。

ここで『地獄でなぜ悪い』のタイトルが出ていないのは、単純に思い出せなかっただけかもしれませんが、もしかすると園子温監督の性加害問題を踏まえて、作品名を伏せたという配慮だったのかもしれません。

8:『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』(2004年)

藤本タツキは「『劇場版アニメ』と聞いて真っ先に思い浮かべる作品を『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』と答えた上に、「ちょっとだけ『レゼ篇』にも重ねています」と明言しています。

同作は西部劇の映画の世界に入り込んでしまう様が描かれており、悲劇性や暴力性も子供向け作品にしてははっきりと描かれる、シリーズではやや異色、賛否が分かれた作品となっています。

藤本タツキがちょっとだけ重ねていると言ったのは、おそらく『夕陽のカスカベボーイズ』が「報われない恋」を描いた作品だからでしょう。

劇中でしんのすけは14歳の少女に惹かれていき、やがて本気で恋をするのですが、彼女は映画の中の登場人物(それ以外にも解釈が分かれる存在)です。最終的にその恋心が成就しないことが分かっているからこその物語になっていることが、最後まで見ればより切実に胸に響くでしょう。
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エンディング・テーマには『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の影響も
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