月間平均残業時間は10年間で22時間減少、最も減った業界は「土木建築」、残業時間が最も少ない業界は?

オープンワークが公開した「OpenWork 残業と有休 10年の変化」によると、10年間で月間平均残業時間は22時間減少。業界別では「土木建築」や「コンサルティング」が最も下げ幅が大きい結果となりました。

オープンワークは12月16日、「OpenWork 残業と有休 10年の変化」を公開しました。現職の会社員から就職・転職クチコミサイト「OpenWork」に投稿された、34万以上の残業時間と有休消化率のデータをもとに、それぞれ過去10年間の推移を分析したものです。

10年間で国内企業の働き方はどう変わったのでしょうか。本記事では、月間平均残業時間のデータを紹介します。
 

月間平均残業時間は10年間で22時間減少

「月間平均残業時間」の推移を全体で見ると、2014年から減少傾向となっています。2012年は月間平均46時間だったのに対し、2021年は24時間という結果に。10年間で平均22時間減少しました。
 
過去10年間の月間平均残業時間の推移
過去10年間の月間平均残業時間の推移


数値が大きく変化している年はなく、段階的に減っている様子が分かります。コロナ禍に入った19年から20年も大きな変化は見られません。
 

年代別では、10年で世代間の差がなくなり最も残業が少ないのは20代

年代別で見ると、2012年時点では年代ごとに大きな差があったことが分かります。最も残業していたのは20代の平均48.5時間、次いで30代の46.2時間、40〜50代は40.1時間でした。
 
年代別月間平均残業時間
年代別月間平均残業時間


少しずつその差は縮まり、2015年には20代(41.3時間)と30代(40.2時間)の差がほとんどなくなっています。2016年で両者は逆転し、2021年時点では20代が23.5時間と、最も残業時間が少ないという結果に。

若い世代を中心に「ワークライフバランス」を重視する傾向が強く、コロナ禍によるリモートワークなども影響していると推察されます。
 

10年間で最も残業時間が減った業界は「建築、土木、設備工事」

30以上に分けた業界別のデータを見ると、10年間で変化が大きかった業界TOP3は、1位「建築、土木、設備工事(37.6時間減少)」、2位「コンサルティング、シンクタンク(36.8時間減少)」、3位「放送、出版、新聞、音響(35.1時間減少)」でした。

2021年時点で最も残業時間が少ない業界は、「ファッション・アパレル・繊維」で13.5時間。
 
月間平均残業時間が最も減った業界TOP3
月間平均残業時間が最も減った業界TOP3

各業界に在籍する回答者からのコメントを見ると、「働き方改革に熱心に取り組んでおり、5年前と比べて風土も変わった。しかし他産業と比べると残業時間は長い(清水建設)」や「働き方改革の影響を受けて、非常に働きやすくなったと感じている。以前は深夜残業が当たり前。残っている人ほど頑張ってて偉いといった雰囲気が強く不満だった(アビームコンサルティング)」といった声が寄せられています。


>次ページ:10年間の残業時間推移、全業界別結果


【おすすめ記事】
社長が選ぶ「2021年の社長」ランキング! 3位「大山晃弘」、2位「孫正義」を抑えた1位は?
2021年の女性平均年収は345万円! 昨年から2万円減少、職種別・地域別の年収1位は?
2021年コロナ禍のアルバイト最強ブランドランキング! 3位「無印良品」、2位「セリア」を超えた1位は?
2021年の冬ボーナス「支給あり」が約7割、支給額平均は約3万円増、使い道で最も多かったのは?

【関連リンク】
プレスリリース
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    東海道新幹線の「個室」が100系以来、四半世紀ぶりに復活! 「どこに設けられる?」JR東海に聞いた

  • 「婚活」の落とし穴

    「男らしさ」がしんどい若者たち。「女性より稼いで当然」「デートもリードすべき」と言われても

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    危機管理のプロが警告! 中学受験で“御三家”を目指す親子が知っておくべき「学歴エリートの落とし穴」

  • 世界を知れば日本が見える

    深刻な少子化に苦しむ「中国」と対照的に、今こそ「一人っ子政策を導入すべき」といわれる2つの国とは