『星つなぎのエリオ』大ヒット公開中 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン (C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』が8月1日から公開中です。結論から申し上げれば、これまでのピクサー作品にもあった、「優しくもありながらも甘やかさない」物語の魅力が極まった、老若男女におすすめできる素晴らしい作品でした。
ボイジャーは地球の生命や文化の存在を伝える音や画像が収められた「ゴールデンレコード」を搭載し、今も宇宙のどこかにいるほかの生命体へメッセージを届けるための孤独な旅を続けています。そのボイジャーと同じように、エリオは「この広い世界に、きっと“本当の居場所”がある」と信じて、毎晩のように星を見上げ、宇宙人との交信も目指そうとするのです。
(C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
しかしながら、エリオの行動は彼にとっての希望である一方で、客観的には「現実逃避」とも言えるもの。ボイジャーだって、たとえ地球外知的生命体がいたとしても、現実的にはその場所に向かうだけでも何万年という遠い時間がかかるわけですから。
2:家族にも「家族じゃない」と言ってしまう
エリオは、ほかにもさまざまな問題を抱えています。日常的にウソをついていますし、海辺ではケンカをしたりもして、両親に代わって彼を育てている叔母・オルガを困らせてばかり。しかもエリオは、宇宙飛行士を目指してもいるオルガにとって、自分は邪魔な存在なのではないかと、悲しい思い込みもしてしまうのです。
(C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
思えば、主人公が大切な家族を亡くしてしまうことは、『鬼滅』と『エリオ』で共通しています。一方で『鬼滅』の炭治郎はどこまでもまっすぐで「ブレない」、それはそれで少年漫画の主人公としてとても真っ当なキャラクターです。また、鬼になっても人を食べない妹の禰豆子を、人間に戻すことを目標として奮闘しており、孤独ではありません。