ヒナタカの雑食系映画論 第178回

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を見る前に知ってほしい5つのこと。レトロかつ“新しい”魅力

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の5つの魅力を語りましょう!「予備知識ゼロでOK(でも今後のシリーズを楽しむための重要作)」かつ「レトロな魅力がたっぷり」であり「『スーパーマン』に続き古典的なヒーローの映画を今作る意義を感じられる」作品だったのです。(※画像出典:(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.)

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『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』2025年7月25日(金)日米同時公開! 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン (c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
7月25日より『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が公開中です。

結論から申し上げれば、本作は楽しい! 面白い! 何より敷居の低いヒーロー映画であり、今日(こんにち)的なテーマもすくい上げ、かつテンポよくまとまった優秀なエンタメ作品だったのです。
ここでは事前に知ってほしい魅力や特徴を、5つのポイントからまとめてみましょう。

1:「レトロフューチャー」なルックがかわいい!

本作の魅力の筆頭は「レトロフューチャー」なルックでしょう。1960年代にタイムスリップしたかのような、ブラウン管のテレビ、そこに映る荒いニュース映像などは、その時代のニューヨークを知らない人にとっても懐かしさを覚えるはず。宇宙船やマスコット的なロボットといったSF要素もふんだんにあり、それぞれの造形がとってもキュートに見えるのです。
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(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
青と白のツートンのユニフォームを初め、ともすれば「古臭い」と揶揄(やゆ)されてもおかしくなかったはずのガジェットや設定を、「レトロ」な魅力へとつなげるという、いわば「発想の転換」がとてもクレバーです。今はカセットテープや使い捨てカメラといった「昭和レトロ」のブームもありますし、このレトロフューチャーの楽しさは多くの人に届くことでしょう。

ちなみに、マット・シャックマン監督はDisney+(ディズニープラス)で配信中のドラマ『ワンダヴィジョン』全9話を手掛けています。同作は、70年以上の歴史を持つアメリカの「シットコム(シチュエーションコメディ)」を思わせる作風と、そこから生まれる意外性のあるサプライズが特徴でした。レトロ表現への造詣が深い監督ならではの演出といえるでしょう。

2:チームであり家族! 実は「正体が世間に知られている」ヒーローでもある

1961年にスタン・リーとジャック・カービーによって創造された『ファンタスティック・フォー』は、ヒーローチームの「原点」ともいえる作品です。
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(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
それまでもヒーローがタッグを組む作品はありましたが、彼らは同じ場所で暮らす「家族」的な存在でもあるのがユニーク。加えて、キャラクターそれぞれの個性も際立っているのです。プレス資料から引用しておきましょう。

リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック
天才科学者でチームのリーダー。 ゴムのように自在に伸縮する身体を駆使し、常に冷静な判断でチームを導く。研究にも情熱を注ぎ、スーのパートナーでもある。

スー・ストーム/インビジブル・ウーマン
自身の身体を透明化させ、目に見えないエネルギーを操り、フォース・フィールドを形成する超能力を持つ。リードの妻であり、チームの精神的支柱。 ジョニーの姉でもある。

ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ
スーの弟で、陽気なチームのムードメーカー。炎を操り空を高速で飛び、高熱の火炎を放つ。 ベンとは喧嘩しつつも、深い友情で結ばれている。

ベン・グリム/ザ・シング
リードの古くからの親友。心優しく、岩のように強固な身体と怪力を持つチームの力持ち。


「夫婦」や「実のきょうだい」がチームにいるというのは、今となっては逆に新鮮で珍しいヒーローチームだと感じるのではないでしょうか。
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(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
また、「ヒーローが正体を隠す」というのはヒーローものの「お約束」のようではありますが、『ファンタスティック・フォー』は素顔や本名が公(おおやけ)になっていて、市民から愛される存在になっているのも、これまた今ではむしろ珍しく思えます。

そのように「ヒーローチームの原点が今ではフレッシュに思える」魅力がふんだんにあるのが、今回の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』なのです。
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予習は不要! そしてシリーズはしばらく“おあずけ”に?
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