【子育て中の親も使える】子どもにイライラしないコツは、ただ1つ。公立小教師が先生を続けられるワケ

子どもに対して思わず感情的になってしまった経験は、誰でも一度はあるはず。子どもと接するプロである先生は、そんなシーンをどのように乗り越えているのでしょうか。現役小学校教師の松下隼司さんが実践している「演じる仕事術」を紹介します。

どんなにかわいいわが子でも、時にワガママや理不尽に耐えきれず、つい感情的に怒ってしまうことは、親ならば誰にでもあるのではないでしょうか。

子どもにとって理性的で優しい「いい親」でいたいという気持ちはあっても、親自身も1人の人間である限り、いつでも怒らずに穏やかでいるのは至難の業。

それどころかつい感情的に怒ってしまった結果、親の真意を理解できない子どもに余計に泣かれてますますイライラ……なんてこともあるでしょう。

子どもとの関わり方に悩んだときには、いっそ「いい親を演じる」手法を使うと、子どもも親もストレスが軽減されるかもしれません。

現役の小学校教師である松下隼司さんが著書『先生を続けるための「演じる」仕事術』で紹介している「演じる仕事術」のポイントを、本著から一部抜粋。きっと、子育てに奮闘するパパママのヒントにもなるはずです。

役割を演じることは、自分自身を保ちながら相手に向き合う手段

画像出典:PIXTA
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“職を演じながら働く”なんて考えは、不適切にもほどがある! と思われるかもしれません。子どもたち相手の教師という職業ならなおさらです。映画やドラマ、舞台や漫画に出てくる“教師役”のキャラクターじゃない!“本物の教師”だろ! 自分を偽った気持ちで子どもの前に立つな! と、腹が立つかもしれません。

でも、ありのままの自分で教壇に立ち続けていたら、きっと教師の仕事を続けられていなかったでしょう。授業や学級がうまくいかないことを、子どもたちや保護者のせいにし、一方で、誰よりも自分自身が教師としてのふがいない自分を責め続けて、追い詰めていたことでしょう。

“教師役を演じる”という意識で働いて気づいたメリットは、次の4つです。小学校教師でない、他の職業の方にもお役に立てるはずです。

メリット1. 自分にとっての「理想像」をイメージして子どもの前に立てる

自分がもともと、教師に向いている人・センスのある人だったら、“教師を演じる”という意識は必要ないです。でも、普段の私は、明るさも優しさも足りません。逆に冷たさと厳しさが強い性格だと自覚しています。

そこで、大好きな教師ドラマに登場する先生をイメージして、教室で子どもたちの前に立ってみました。明るく元気で優しい先生になったつもりで、授業をしたり、休み時間 に子どもたちと過ごしたりしました。すると、私自身も楽しく働けるようになりました。

何より、子どもたちが楽しく学校生活を過ごせるようになったのです。 (私が大好きな教師ドラマは『みにくいアヒルの子』です。岸谷五朗さん演じる主人公のガァ助先生が大好きです)
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