
(質問)
仕事はほどほどにしたいのですが、管理職を打診されました。断ってもいいでしょうか?
(回答)
管理職への打診はあなたの仕事が評価されている証拠です。戸惑う気持ちもあるかと思いますが、「大変そうだから」という理由だけで断ってしまうのは、もったいないかもしれません。何が不安なのか、どうしてやりたくないのかを、一度立ち止まって考えることをおすすめします。
詳しくは以下で解説します。
「自分には向いていないから」と諦めていませんか?
キャリアデザインセンターが行った「働く意識調査」では、「管理職になりたいと思いますか?」の質問に対し「あまりなりたくない」が男性・女性ともに、最も多い回答でした。「絶対なりたくない」も合算すると、なりたくない派は男性47.8%、女性では67.5%を占めます。
管理職へのイメージが先行している可能性も
管理職に尻込みしてしまうのは、管理職へのマイナスイメージが先行し、自分には無理だと思い込んでしまっているからかもしれません。以下のような管理職のメリットにもぜひ目を向けてみてください。・視座が上がり、仕事の面白さが増す
経営に近い視点で物事を考えられるようになり、これまでとは違う新たな角度から仕事を進めることができます。
・裁量を持って働ける
自身の判断で物事を動かす機会が増えることで、より主体的に仕事に取り組めます。また労働時間の調整がしやすくなり、これまで以上に柔軟に働けるケースもあります。
・ポータブルスキルが身につく
マネジメントスキル、リーダーシップ、課題解決能力、戦略的思考力など、ビジネスパーソンとして不可欠なスキルを向上させることができます。
・給与のアップ
年収が上がることで、日々のモチベーション維持だけでなく、将来のライフプランの選択肢が増えるでしょう。
また、マイナスイメージと実際のギャップを埋めるために、あなたの上司や、社内のほかの管理職の人、実際に管理職として働く知り合いなどに、やりがいやメリットを聞いてみることもおすすめです。
なぜ管理職を打診されたのか、その理由を考えてみる
もちろん、管理職になることで、部下育成など精神的な負担が増すという側面もあります。あなたが最終決定をする機会も多くなり、よりプレッシャーを感じる場面も増えるでしょう。しかし、会社があなたに管理職を打診した背景には、これまでの努力や能力への評価があります。任せられないと思った人に、管理職を打診することはありません。
もし自信がない場合は、上司になぜ自分に管理職を任せたいと思ったのか、どこを評価してくれたのか、率直に質問してみるのもいいでしょう。また、勤務時間や労働環境が心配な場合も、上司にその旨を相談してみましょう。工夫次第では、段階的に管理職に挑戦していく方法も見つかるかもしれません。
断る前に、慎重な検討を
一方、もしあなたが「専門性を突き詰めたい」「スペシャリストになりたい」という明確なキャリアビジョンを持っているのなら、管理職の打診を断ることも妥当な選択です。ただ「なんとなく大変そうだから」という漠然とした理由だけで、管理職を諦めてしまうのは非常にもったいないことです。管理職を経験することで、その後のキャリアパスが大きく広がる可能性もあります。社内でのさらなる昇進はもちろんのこと、他社への転職を考える際にも、マネジメント経験は高く評価されます。管理職になることは、あなたにとって仕事のステージが1つ上がるということ。前向きな視点で、今一度検討してみてはいかがでしょうか。