管理職を打診されたけど、仕事はほどほどにしたい……断ってもいいですか?

転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「管理職」について。

仕事はほどほどにしたいのですが、管理職を打診されました。断ってもいいでしょうか?
仕事はほどほどにしたいのですが、管理職を打診されました。断ってもいいでしょうか?
転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「管理職」について。
 

(質問)
仕事はほどほどにしたいのですが、管理職を打診されました。断ってもいいでしょうか?

(回答)
管理職への打診はあなたの仕事が評価されている証拠です。戸惑う気持ちもあるかと思いますが、「大変そうだから」という理由だけで断ってしまうのは、もったいないかもしれません。何が不安なのか、どうしてやりたくないのかを、一度立ち止まって考えることをおすすめします。


詳しくは以下で解説します。

「自分には向いていないから」と諦めていませんか?

キャリアデザインセンターが行った「働く意識調査」では、「管理職になりたいと思いますか?」の質問に対し「あまりなりたくない」が男性・女性ともに、最も多い回答でした。「絶対なりたくない」も合算すると、なりたくない派は男性47.8%、女性では67.5%を占めます。
管理職になりたいと思いますか?
キャリアデザインセンター「働く意識調査」2024年10月
この結果から、管理職を打診されてもすぐに快諾する人は少ないことが分かります。「自分には向いていないから」「責任が重過ぎる」「自信がない」などの理由から、管理職になることを前向きに考えられない人は多いのではないでしょうか。

管理職へのイメージが先行している可能性も

管理職に尻込みしてしまうのは、管理職へのマイナスイメージが先行し、自分には無理だと思い込んでしまっているからかもしれません。以下のような管理職のメリットにもぜひ目を向けてみてください。

・視座が上がり、仕事の面白さが増す
経営に近い視点で物事を考えられるようになり、これまでとは違う新たな角度から仕事を進めることができます。
・裁量を持って働ける
自身の判断で物事を動かす機会が増えることで、より主体的に仕事に取り組めます。また労働時間の調整がしやすくなり、これまで以上に柔軟に働けるケースもあります。
・ポータブルスキルが身につく
マネジメントスキル、リーダーシップ、課題解決能力、戦略的思考力など、ビジネスパーソンとして不可欠なスキルを向上させることができます。
・給与のアップ
年収が上がることで、日々のモチベーション維持だけでなく、将来のライフプランの選択肢が増えるでしょう。

また、マイナスイメージと実際のギャップを埋めるために、あなたの上司や、社内のほかの管理職の人、実際に管理職として働く知り合いなどに、やりがいやメリットを聞いてみることもおすすめです。

なぜ管理職を打診されたのか、その理由を考えてみる

もちろん、管理職になることで、部下育成など精神的な負担が増すという側面もあります。あなたが最終決定をする機会も多くなり、よりプレッシャーを感じる場面も増えるでしょう。

しかし、会社があなたに管理職を打診した背景には、これまでの努力や能力への評価があります。任せられないと思った人に、管理職を打診することはありません。

もし自信がない場合は、上司になぜ自分に管理職を任せたいと思ったのか、どこを評価してくれたのか、率直に質問してみるのもいいでしょう。また、勤務時間や労働環境が心配な場合も、上司にその旨を相談してみましょう。工夫次第では、段階的に管理職に挑戦していく方法も見つかるかもしれません。

断る前に、慎重な検討を

一方、もしあなたが「専門性を突き詰めたい」「スペシャリストになりたい」という明確なキャリアビジョンを持っているのなら、管理職の打診を断ることも妥当な選択です。ただ「なんとなく大変そうだから」という漠然とした理由だけで、管理職を諦めてしまうのは非常にもったいないことです。

管理職を経験することで、その後のキャリアパスが大きく広がる可能性もあります。社内でのさらなる昇進はもちろんのこと、他社への転職を考える際にも、マネジメント経験は高く評価されます。管理職になることは、あなたにとって仕事のステージが1つ上がるということ。前向きな視点で、今一度検討してみてはいかがでしょうか。
 

この記事の筆者:三ツ橋 りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。2013年4月~2015年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て2016年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。2019年10月より2度目の産育休を取得し、2021年5月に復職。2021年6月から『type』編集長に就任し現在に至る。

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