友人のボーナスが「給料5カ月分」と聞きました。そんな会社、本当にあるの?

転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「ボーナス」について。

大学の友人いわくボーナスは5カ月分! そんな会社、本当にあるの?
大学の友人いわくボーナスは5カ月分! そんな会社、本当にあるの?
転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「ボーナス」について。
 

(質問)
大学の友人いわくボーナスは5カ月分! そんな会社、本当にあるの?

(回答)
ボーナスが5カ月分というのは、一般的に見るとかなり高水準です。ただ、年間で5カ月分なのか、夏と冬の2回分を合わせて5カ月分なのかで意味合いが大きく異なります。数字だけで全てを判断しないように気を付けましょう。


詳しくは以下で解説します。

ボーナス5カ月分の会社は「あるにはある」けれど……

結論からお伝えすると、ボーナスが年間で5カ月分も支給される会社は、珍しくごく一部に限られます。ただ、そもそも5カ月分というのは年間で算出しているのか、半年で算出しているのか次第で大きく異なります。仮に年間で5カ月分支給される場合は、半年に換算すると2.5カ月分です。

厚生労働省の調査によると、令和6年の年末賞与支給額は平均で1.2カ月分となっています。この数字からも5カ月分というボーナスが、いかに珍しいケースかが分かるでしょう。

では、なぜ一部の会社で、このような高額なボーナスが支給されるのでしょうか?
一般的には、以下のような特徴を持つ企業で、高額なボーナスが支給される傾向があります。

・会社の業績が右肩上がりで、利益を社員に還元する余裕がある場合
・景気の波に左右されにくい安定した収益が見込める業界や、専門性が高く人材の流動性が低い業界の場合
・個人の成果が会社の業績に大きく影響する職種や、実力主義の評価制度を採用している場合

高額ボーナス、いいことばかりではない?

高額なボーナスは経済的な余裕を与え、貯蓄や趣味、旅行、スキルアップへの投資など、生活の質を高めることができます。仕事へのモチベーションも上がり、会社への愛着や貢献意欲を高めさらなる成果向上を後押しする可能性があります。

しかし、いいことばかりではないので、以下のリスクも踏まえておきましょう。

・業績による変動
ボーナスの額は、会社の業績によって大きく変動します。業績が悪化すれば、大幅な減額や支給なしとなる可能性も覚悟しておく必要があります。

・月給が低い傾向
年間の人件費を調整するために、月給が低めに設定されているケースも少なくありません。ボーナスに依存した生活設計は、将来的なリスクを高める可能性があります。

・高い成果へのプレッシャー
高額なボーナスは、高い成果を求められることの裏返しの場合もあります。常に結果を出し続けなければならないというプレッシャーから、精神的にきつくなる可能性も考慮しておきましょう。

・転職時のハードルが上がる
高額なボーナスが支給される会社はまれであるため、いざ転職を考えた際に、同水準の待遇を求めることが難しい場合があります。

ボーナスに振り回されない、賢いキャリア戦略

高額なボーナスは魅力的ではありますが、キャリアにおける本質ではありません。ボーナスは日々の努力が報われる喜びであり、一時的にまとまった収入をもたらしますが、その額や支給時期にとらわれ過ぎると、本当に望むキャリアの機会を逃したり、それ以外の条件を妥協したりする可能性があります。

短期的な利益よりも、自身のスキルやキャリアアップにつながる環境に身を置く方が、長期的な収入増につながる可能性も。新しい環境で積極的に学び、成果を出すことで、次のボーナスや昇給につなげるというキャリアも、賢い戦略と言えるかもしれません。
 

この記事の筆者:三ツ橋 りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。2013年4月~2015年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て2016年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。2019年10月より2度目の産育休を取得し、2021年5月に復職。2021年6月から『type』編集長に就任し現在に至る。

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