フリーで遊べる日を作って、メリハリを意識
とはいえ、せっかくの夏休み。子どもの思い出をどう作るか悩みます。オトクサさんの家は子どもの友達が気軽に遊びに来る環境だったため、友達が泊まりにくる日を事前に決めて思い出作りに励んだそう。「家族旅行はゴールデンウイークに済ませておいて、夏休みはどこも行きませんでした」
お盆休み期間中は、塾が主催する志望校別の特別講習へ4~5日間通ったそう。
「1人で勉強を続けるよりは、同級生と並んで勉強する機会も設けた方が気分転換になるだろうと受講しました」
子どもが取り組む問題集は、親が決める
夏休み期間中は、「子どもがギリギリ達成できる目標を親が決めた」と語るオトクサさん。子どもたちが取り組む問題集も、オトクサさんが選びました。しかし、親が子どもの勉強を見ようとすると、その実力や勉強の進捗(しんちょく)具合を把握する必要があり、難しそうです。「子どもの実力の把握は苦手分野の洗い出しを考えがちですが、僕が重視するのは問題の間違え方です。例えば、間違えたときに『もう一度考えてごらん』と促しただけで解けるのか、図に書いてみたら解けるのか。公式に当てはめて適当に解くのではなく、自分でしっかりと文章を読み込んでいるかどうかを見極めています。そうすることで、苦手な問題の傾向を知ることができ、子どものフォローに役立ちます」
勉強の進捗具合は日常会話で確かめているそう。そうすることで普段から、「この子なら、夏休み期間中これくらいのことはできるだろう」と見極めていくのだと言います。
夏休みは中学受験だけでなく自宅学習の習慣づけも大切です。オトクサさんの考え方は、日々の勉強生活でも取り入れられるヒントがいくつもありそうです。
オトクサさん プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子をまとめた新刊『通塾なしで開成合格!中学受験おうち勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みを、大家族ならではの日常を交えてわかりやすく伝えている。
この記事の執筆者:結井 ゆき江
フリーランスの編集者・ライター。中学受験雑誌の編集者として勤務した後に独立。小学校で発達障害グレーゾーンの児童をサポートした経験から、教育分野を中心にライターとして活動する。



