
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
ノートパソコンのUSBメモリをいきなり抜いてもOKですか? 最近大丈夫になったと聞いたのですが……。
(回答)
最新のWindowsの場合、USBメモリなどの使用が終わったら、いきなり抜いてもコピーしたデータなどは消えません。ただし、他のOSなどでも同じ動作とはならず、完全に問題ないわけでもないので、万一のデータ消失リスクを避けるために、取り外し操作をしてから抜いた方が安全です。
データが消えることはありません
以前のWindowsのバージョンでは、コピー操作が完了したように見えても実際にはまだ完了していないことがありました。そのため、実際に抜く前に、画面上で取り外し操作をすることが必要だったのです。その記憶から、今でも「いきなり抜いたら問題があるのでは」と考えている人も少なくないかもしれません。しかし、現在のWindowsでは設定が異なるので、データのコピーが終わってすぐにUSBメモリなどを抜いても、データが消えることはないです。Windows 11ではデフォルトでUSBメモリの取り出し方法が「クイック取り出し」になっています。データのコピーなどの操作がOS画面上で終わったら、いきなり抜いてもデータ自体に問題が発生しない設定です。Windows 10の場合も、2018年にリリースされたWindows 10 Version 1809から「クイック取り出し」がデフォルト設定になっています。
ただし、設定を「高パフォーマンス」にしていた場合、以前のようにデータの書き換えが終わったように見える設定なので、いきなり抜くとデータが壊れたり、消えたりする可能性があります。とはいえ、最新のサポート対象のWindowsを使っているのであれば、特殊な設定をしていない限りすぐ取り外せる「クイック取り出し」設定になっていると考えて大丈夫です。
設定を確認したい場合は、該当のデバイスを差し込み、「デバイスマネージャー」から確認することができます。
基本的には取り外し操作をした方が安全
「高パフォーマンス」で使っている場合や、そうでなくとも絶対に問題なく取り外したい場合、エクスプローラーなどから「ハードウェアの安全な取り外し」の操作を行い、それから取り外し操作をするのが安全です。コピー操作などが終わっていても、別のソフトなどでUSBメモリ内のデータを開いていた場合、問題が発生することもあるためです。他にも、いきなり抜くことに対応していないOSで、いつものクセで抜いてしまって問題が発生する可能性もあります。この動作はOSによって挙動が異なっており、以下のようにまとめられます。
Windowsならいきなり抜いても問題はないですが、万が一のことを考えれば、取り外し操作を行ってからUSBメモリを抜いた方が安全といえます。「クイック取り出し機能」は、うっかり間違えて引き抜いても大丈夫な機能と考えておきましょう。また、OSに取り外し操作がある場合、うっかりファイルを開いていた場合などの問題が避けられるなど、安全に取り外せるので、基本的には操作後の取り外しをおすすめします。Windows:取り外し操作あり。何もせずに取り外しても基本的には問題なし
macOS:取り外し操作あり。基本的には操作をした後に取り外すべき
Android:取り外し操作あり
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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