受験した先で何を得たいのか「わが家の受験軸」を考える
中学受験をするかしないかを考える前に、受験した先にある中高一貫教育で何が得られるのか、そこで子どもに何を経験してほしいのかを考えてみてください。わが家の軸をしっかりと持って選べば、どんな選択をしても後悔することはありません。
ぜひ一度立ち止まって、「わが家の受験軸」を見直してみましょう。
受験軸とは「何のために受験をするか」「どう受験するか」という家庭での軸です。受験軸を決めることは、受験勉強の理由(動機)を決めることでもあります。
勉強の動機と成績には深い関係があるのをご存じでしょうか。ある調査では、「勉強をすることが楽しいから」「自分の夢をかなえたいから」などの自律的な動機で勉強する子どもの成績が、動機がないまま勉強をする子より高いということが分かりました。
当然の結果といえるかもしれませんが、自分で決めた軸(動機)をベースに受験に向かうことで成績も上がりやすくなるといえるでしょう。
中学受験は、とりあえずで始めるような簡単なものではありません。時間もお金もかかります。子どもが塾に行く生活が始まれば、送迎やお弁当作りなど家族の負担も増えるでしょう。難しい課題に取り組む子どもの家庭学習のサポートも必要です。きょうだいがいれば、その子の生活にも影響が出ます。
いわば、中学受験は長期間にわたって取り組む「家族ぐるみのプロジェクト」です。長期プロジェクトだからこそ、「これだけお金と時間、労力をかけたのに、この結果……」という思考にもなりやすいのが、中学受験の怖さでもあります。
でも、受験というハードルにチャレンジするということは、人としての成長の機会にもなります。
撤退を考えているなら、1度わが家の受験軸をお子さんと一緒に見直してみてください。そうして決めた撤退なら、それが高校受験で最高の合格を得る道になると思います。
※この記事は『中学受験 親子で勝ち取る最高の合格』(青春出版社)の内容から抜粋、加筆して構成されています。
この記事の執筆者:中曽根 陽子
数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストとして、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエーティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。お母さんが幸せな子育てを探究する学びの場「マザークエスト」も運営している。『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)など著書多数。
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