実家の親が30年前のエアコンをいまだに使っている……何か問題はないの?【家電のプロが回答】

実家の親がいまだに古い家電を使い続けていて心配……。そんな人もいるかもしれません。実際のところどのような問題があるのか、「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。

実家に帰省をしたら、相当古いエアコンを使っていた……問題ない?
実家に帰省をしたら、相当古いエアコンを使っていた……問題ない?
実家に帰省をしたら、相当古いエアコンを使っていた……。こんな経験がある人もいるかもしれません。実際のところ、問題はないのでしょうか。

「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
 

(今回の質問)
実家の親が、30年前のエアコンをいまだに使っていました。正直少し心配になったのですが、問題ないのでしょうか?

(回答)
故障のリスクと省エネの両面から、すぐに買い換えることをおすすめします。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

故障してもすぐに修理・交換ができない恐れも

30年前ということは、1990年代に作られたエアコンだと考えられます。それがまだ現役で動くのは素晴らしいことではありますが、使い続けることはおすすめできません。

1つ目の理由が故障のリスクです。エアコンは室外機のコンプレッサーで冷媒と呼ばれるガスを圧縮して加熱、冷却を行い、熱交換によって、室内機で冷暖房する仕組み。古いエアコンで使われている冷媒の多くは、環境にやさしくないフロンガスのため、2020年に全廃されており、使用禁止になっています。

このためガス漏れなどの故障が起きた場合、使い続けられず、基本的にはエアコンごと交換になります。エアコンの故障は主に真夏や真冬など、エアコンをフル活用する時期に発生しやすく、修理・交換工事がすぐにできないことがあります。そうなるとエアコンなしで1、2週間過ごさなければならなくなります。30年経ったエアコンはいつどこが壊れるか分かりません。早急に交換することをおすすめします。

電気代が倍以上かかっているかもしれません

そしてもう1つの理由が、消費電力です。エアコンはこの30年間、さまざまな部品の進化により消費電力を大きく下げてきました。中でも大きいのがコンプレッサーや冷媒の進化です。例えば、1995年のダイキン製エアコンの期間消費電力は、4.0kWモデルの場合約2500kWhですが、2025年モデルでは約1066kWhと半分以下になっています。つまり、30年前のエアコンを使っていると、冷暖房の電気代は倍以上かかるということです。

省エネというだけでなく、最新モデルなら効率的に送風する機能や人を室内の家具の位置などを感知するセンサー、スマートフォンなどから操作ができる機能なども備えており、便利に使えます。基本的には現在問題なく動いていたとしても、買い換えがおすすめです。古いエアコンを使い続けると、結果としてもったいないことになってしまうのです。

All About ガイドがすすめるエアコン:三菱電機「FZシリーズ」

 

 

この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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