冷房と比べて暖房の電気代が高くなりがちなのはなぜ?【家電の専門家が解説】

夏と冬で同じようにエアコンを使っているだけなのに、なぜ冬の方が電気代が高くなってしまうのか、家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。

冷房と比べて暖房の電気代が高くなりがちなのはなぜ?
冷房と比べて暖房の電気代が高くなりがちなのはなぜ?
夏と冬で同じようにエアコンを使っているだけなのに、なぜか冬の方が電気代が高くなってしまう人は多いのではないでしょうか。

家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
 

(今回の質問)
冷房と比べて暖房の電気代が高くなりがちなのはなぜでしょうか?

 

(回答)
冬は外の気温と室温の差が大きくなり、冷房よりも使う時間が長くなることから、暖房の電気代が高くなりがちなのだと推定されます。冷房の方が暖房よりも高効率で省エネになるというわけではありません。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

冬の電気代が高くなるのはエアコン以外にも原因が……

総務省の家計統計調査によると、確かに夏期(7~9月)に比べて冬期(1~3月)の電気代が高くなっているのが分かります。
 
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世帯別1カ月間の平均電気代(出展:総務省家計統計調査2022年1~3月期/7~9月期)
しかし、だからといって「暖房の電気代が冷房より高い」というわけではありません。冬の電気代が高くなる理由として以下のようなものが挙げられます。

・エアコン以外の電気暖房を多く使っている
・エアコンの設定温度が高い
・白熱電球などの消費電力の高い照明を使っている
・乾燥機の使用頻度が増える

それぞれの対策も含めて紹介していきましょう。

エアコン以外の電気暖房を多く使っている

エアコンは電気ストーブや電気ファンヒーターなどの電気暖房器具に比べて、一般的に5倍以上省エネといわれています。例えると、500ワットで2500ワット程度の暖房能力を実現できるといったイメージです。そのため、電気ストーブや電気ファンヒーターなどを使って部屋全体を暖めると、エアコンに比べて5倍前後の電気代になってしまう可能性があります。

省エネにするためには、エアコン以外の電気暖房をなるべく使わないようにするか、限定的に使うようにしましょう。

エアコンの設定温度が高い

電気ストーブや電気ファンヒーターなどに比べて省エネとはいえ、エアコンの設定温度が高いと電気代が高くなってしまいます。環境省はエアコンの設定温度として夏は28度、冬は20度を推奨しています。とはいえ、やはり夏の28度や冬の20度は過ごしやすい気温とは言えません。そのため、夏でも冬でも25度前後に設定しているという人も多いのではないかと思います。

最近では地球温暖化が進んでいることもあり、夏に真夏日(30度以上)や猛暑日(35度以上)を記録する日が増えています。とはいえ、夏に30度前後の室温を25度まで冷やすのに比べて、冬に10度前後の室温を25度にまで上げるためには当然多くの電力が必要になります。冬はなるべく設定温度を下げて、厚着で過ごすのが省エネのポイントです。

白熱電球などの消費電力の高い照明を使っている

冬は日没が夏に比べて早いため、早い時間に室内が暗くなってしまいます。そのため、照明をつける時間が夏よりも長くなります。LED電球やLEDシーリングライトであれば大きな差にはなりませんが、白熱電球を多く用いている場合は消費電力が高くなる可能性があります。白熱電球を使っている場合は、なるべくLED電球に替えるのがおすすめです。

乾燥機の使用頻度が増える

冬は洗濯物が乾きにくいので洗濯乾燥機の乾燥機能や電気乾燥機、衣類乾燥除湿機を使う頻度が増えるという家庭では、冬に電気代が上がる可能性があります。

縦型洗濯乾燥機の乾燥機能はヒーター乾燥を行うため、電気代がかなり高くつきます。それに対し、最近のドラム式洗濯乾燥機の多くはエアコンと同じヒートポンプ方式を採用しているため省エネです。縦型洗濯乾燥機の乾燥機能はなるべく使わないようにしましょう。どうしても乾燥機能を使いたい場合は、省エネ性能の高い衣類乾燥除湿機を新たに導入するのもおすすめです。  
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
 
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