知って得する! 青春18きっぷより安い「北海道&東日本パス」の賢い使い方
近年注目を集めている「北海道&東日本パス」は、「青春18きっぷ」よりおトクに旅ができるのか? 「All About」鉄道ガイドの野田隆が解説する。
18きっぷと同じ点・異なる点
BRTにも乗車できる。写真は気仙沼駅にて
そのほか、普通列車の走っていない石勝線・新夕張駅~新得駅、室蘭本線・室蘭駅~東室蘭駅の特急利用の特例については18きっぷに準じている。東北エリアのBRT(バス高速輸送システム)(大船渡線BRT、気仙沼線BRT)についても、18きっぷと同様だ。
なお、利用期間は、2025年春季の場合、2月22日から3月31日までとなる。18きっぷと異なり4月1日以降は利用期間外となっているので注意が必要である。
普通列車の本数が極めて少ない区間
東北エリアの電化区間ではおなじみの701系。ロングシート主体なので旅人には不評だ
普通列車・快速列車のみでの移動は、現在かなり困難な状況だ。例えば、奥羽本線の福島駅~米沢駅は、山形新幹線「つばさ」なら、ほぼ1時間に1本走っていてそれほど不便ではないが、普通列車の本数は極めて少ない。数時間走っていない時間帯もある。秋田新幹線「こまち」が走る田沢湖線の雫石駅~大曲駅も同様だ。他にも、列車本数が極めて少ない路線・区間はいくつもある。
しかも通勤電車同様のロングシート車両に当たることも多く、ゆったりしたローカル線の旅を味わうことは難しくなりつつある。
格安と言うわけにはいかないけれど、新幹線・特急列車、観光列車を適宜利用しつつ鉄道旅行を楽しんだ方が精神衛生上はいいのかもしれない。
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。