2位:「星野源」が見せた、アーティストとしての凄み
いろいろな意味で、今回の放送で衝撃を受けたのが星野源さんです。今回で10度目の出場となる星野さんは『ばらばら』を弾き語りでパフォーマンス。披露する楽曲が『地獄でなぜ悪い』から『ばらばら』に直前で変更されたという経緯があるだけに、どのような演奏になるのかファンだけでなく多くの視聴者が注目をしていたのではないでしょうか。実際の演奏は張り詰めた空気の中で行われ、歌詞も一部変更されていました。これまでの紅白の長い歴史の中でも、あまりなかったような緊張感あるパフォーマンスだったのではないでしょうか。心を揺さぶられる歌声と演奏、表情も含めて、星野さんのアーティストとしての凄みと覚悟が感じられました。
1位:「B’z」「藤井風」「米津玄師」……サプライズ演出で感じた紅白の「本気」
『紅白歌合戦』は他の音楽番組とは異なる規模感の番組、今回も特大のサプライズを用意していました。その1つが、デビュー36年目で初出場を果たしたB'zです。 特別企画の枠として登場したB'zは、放送中のNHK連続テレビ小説 『おむすび』の主題歌『イルミネーション』を演奏。これまでの『紅白歌合戦』では、特別企画で出演する大物は別スタジオでの演奏というパターンが多かったため、B'zの『イルミネーション』も同様……と思いきや、演奏後にB'zが生放送中の会場へサプライズ登場。ざわつく中で、『LOVE PHANTOM』『ultra soul』と大ヒット曲を披露して、この日一番の大盛り上がりを作り上げました。 さらにNHKの本気を感じさせたのが、アメリカ・ニューヨークから生中継で届けられた藤井風さんの『満ちてゆく』のパフォーマンス。映画のワンシーンのような演出で楽曲を披露し、通常の番組では実現できないような豪華なパフォーマンスを見せました。セットからニューヨークのストリートへと場所を移動しながらの歌唱は、圧巻の一言。『紅白歌合戦』でしか見られないような演出を、視聴者も堪能できたのではないでしょうか。 米津玄師さんはNHK連続テレビ小説『虎に翼』の主題歌『さよーならまたいつか!』を歌唱。番組では、スピンオフドラマ『虎に翼 紅白特別編』とのスペシャルコラボでパフォーマンスを披露しました。ドラマの豪華キャストと共演する演出で、作品のファンも涙なくしては見られないパフォーマンスとなりました。「さすが紅白歌合戦」という豪華さは健在!
STARTO ENTERTAINMENTに所属するアーティストが2年連続で0組になるなど、今年もさまざまな角度から話題を集めていた『紅白歌合戦』。一方で、視聴率の低迷や、民放各局が年末に多くの大型音楽番組を放送する中で、『紅白歌合戦』を見る必然性はかつてより薄れているのも事実です。しかし、前述したとおり『紅白歌合戦』でしかできないような演出もあり、他の音楽番組にはない圧倒的な豪華さを感じられました。今回の『第75回NHK紅白歌合戦』でも、「さすがは紅白」と感じられるような底力を見せたといえるのではないでしょうか。
この記事の筆者:ゆるま 小林 プロフィール
長年にわたってテレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。