「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
洗濯をしたら黒いワカメのようなものが出てきたのですが、これって何ですか?
(回答)
洗濯物に黒いワカメのようなものが付着するのは、洗濯槽内に繁殖した黒カビが原因であると考えられます。せっかく洗濯しても台なしになってしまうので、次に洗濯する前に黒カビを除去しましょう。
洗濯物に付く黒いワカメのようなものは黒カビです
洗濯物に黒いワカメのようなものが付着するのは、洗濯槽内に繁殖した黒カビが原因であると考えられます。洗濯槽の裏側は洗剤の残りカスや皮脂汚れなどが付着しやすいうえ、湿度の高い環境のため、カビが繁殖しやすいです。このカビがはがれ落ちて洗濯物に付着し、黒いワカメのように見えてしまうというわけです。黒カビは病気やアレルギーの原因となってしまうこともあるので注意が必要です。
また、カビが付着した洗濯物は、何度洗っても完全に汚れが落ちないことも。カビ臭さが移ってしまうこともありえます。さらには、カビが洗濯機内部の部品を腐食させ、洗濯機の寿命を縮める可能性もあるのです。
洗濯槽クリーナーなどを使って黒カビを除去しましょう
黒カビを発生・放置してしまうとさまざまな問題が生じてしまうため、洗濯層クリーナーなどを使用して除去するようにしましょう。洗濯槽クリーナーは、大きく「酸素系」と「塩素系」の2種類に分かれます。酸素系は過炭酸ナトリウムが主成分で、泡によって汚れをはがし落とす能力は高いものの、殺菌力は塩素系に劣ります。一方、塩素系は次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、カビなどの菌を殺菌する能力が高いものの、汚れを落とす力は酸素系に劣ります。洗濯槽を1年以上掃除していない場合は、まず酸素系クリーナーで汚れを落としてから、仕上げに塩素系で殺菌するのがおすすめです。ただし、酸素系クリーナーと塩素系クリーナーを混ぜると有毒ガスが発生するため、絶対に混ぜないでください。
そのほか、重曹とクエン酸を混ぜた溶液を洗濯槽に注いで数時間放置した後、洗濯機を運転することで、カビを除去することもできます。洗濯槽の掃除は定期的に行うことが大切です。月に1回程度は洗濯槽クリーナーを使用し、清潔な状態を保つようにしましょう。
クリーナー以外の対策方法は?
クリーナーを使った洗浄以外にも、黒カビ発生を防ぐためにできることがあります。まず大切なのが、洗濯後は洗濯槽のふたを開けておくこと。湿気がこもらないようにすることで、カビの繁殖を防ぐことができます。そのほかに注意してほしいのが、「洗剤の使い過ぎ」。洗剤が多過ぎると衣類はもちろんのこと、洗濯槽にも洗剤カスが残ってしまう場合があります。洗濯槽に洗剤カスが残ると、そこからカビが発生する危険性があるため、洗剤や柔軟剤は適量使うようにしましょう。
また、黒カビ対策が施された商品を選ぶのも1つの手。洗濯槽に穴がない「穴なし槽」を採用するシャープの縦型洗濯機は、一般的な縦型洗濯機と違って洗濯槽の内槽に穴がないため、洗濯槽の裏側に付着したカビが洗濯物に混ざるということがありません。アレルギーなどでカビをできるだけ避けたいという場合、こういった洗濯機を選ぶのもおすすめです。
All About ガイドがすすめる洗濯機:シャープ「ES-GE7H」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。