「調布駅」は、特撮ファンにとってガチの「聖地」だった。『ゲゲゲ』と商業施設にあふれた住みよい街
駅前空間の再開発が進んでいる街・調布。駅周辺はさまざまな大型商業施設が林立していますが、買い物スポット以外には何があるのか? それ以外の見どころは? 駅を降りて確かめてみました。
調布駅の北側は、趣のあるレトロ飲み屋街も
こうした大型商業施設が目立つと「地元の商店街はどうなってるのかな?」ともなんとなく気になるところ。調布駅の北側では3カ所の商店街が、今もはりきって営業中です。
都内の中西部でよく見かける日常風景
調布駅の北側は道幅が若干狭く、昔ながらの個人商店が多め。雑多で生活感ある路地を京王バスが通過していきます。
地鶏と伊勢海老の中華そば、おいしそうですね
東側にある「
調布百店街」はいかにも昭和レトロといった雰囲気の飲み屋街。なかなかにディープな雰囲気を漂わせており、夜にもなれば多くののんべえを引き寄せます。
地元の人に愛されている店舗があちこち
駅西側のトリエC館近くにある「
調布銀座 ゆうゆうロード」は、雑居ビルの合間に多くの青果店や中華料理屋、飲食店や居酒屋などがあり、こちらも夜に行きたくなるスポット。
『ゲゲゲの鬼太郎』のオブジェも!
他の商店街と比べて観光地的な整備が進んでいる天神通り商店街
一方、昼間に行くなら駅からほぼ真北の「
天神通り商店街」が良さそうです。この商店街は調布駅から駅北側の「布多天(ふだてん)神社」までをつなぐ参道の一部で、小ぎれいに整えられた短い通り道になっています。
ネコ娘と一反もめん。ネコ娘はこの顔つきと髪色からするとテレビアニメ第4シリーズ準拠でしょうか
ここは平日昼でも他商店街より人通りも多く、商店街に入ると『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくるコミカルな妖怪たちのオブジェがお出迎え! どこに何の妖怪が隠れているか探してみたくなりますね。
取材時点(11月14日付)では工事中でした。
また、商店街の中には「鬼太郎」関連のショップ・カフェ・ギャラリーを備えたファン必見のスポット「
鬼太郎茶屋」も2024年11月20日にオープンしました! 現在は映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」のヒットなどもあって鬼太郎ファンが増加中。こちらの商店街にも新しい人の流れが増えそうです。
調布巡りで水木しげる&「鬼太郎」ワールドに触れる
外国から訪日観光中と思しき御一家も布多天神社を参拝中
天神通り商店街の先にある「
布多天(ふだてん)神社」は調布町の総鎮守であり、境内は緑に包まれ、静かで落ち着いた雰囲気。調布を代表するパワースポットとしても有名です。
切り株の大きさから、以前はどれだけ立派な姿だったかしのばれます
境内には2021年に倒壊してしまった旧御神木(樹齢500年!)の切り株と、新しい御神木の育成や境内緑化に関する案内看板もありました。神社内あちこちで樹木への深い敬意と愛情が見られるのも、布多天神社の特徴です。
この緑の向こうに鬼太郎たちが……?
また、敷地内にある雑木林(鎮守の森)は、「ゲゲゲ」作中で鬼太郎たちが暮らしているゲゲゲの森のモデルだそうです。水木しげる先生も、布多天神社の森が物静かに、時にはざわざわとうごめく様子から、
「森の中に妖怪たちがいて、朝は寝床でぐーぐーと寝ていて、夜は墓場に集まって運動会を……」と想像力を働かせていたのかもしれませんね。
平日昼には1階ホールで地域の方がのんびりくつろいでいます
駅の南側、調布市役所の隣にある「
調布市文化会館 たづくり」の図書館には、水木しげる先生作の漫画も数多く収蔵されています。鬼太郎シリーズや『悪魔くん』などのほか、水木先生の苛烈な戦争体験に基づく『コミック昭和史』『総員玉砕せよ!』などの著作も読めるので、水木しげるファンならここも訪れる価値あり!
円形の広い窓が開放的なカフェ
施設の1階にはカフェや展示ギャラリーのほか、水木しげる先生の著作や人生に関する「ゲゲゲギャラリー」も設置されています。
他施設が駅チカに集中しているのに比べて、こちらの広場は若干離れています
また、「トリエ京王調布」C館横の「てつみち」から先、京王線沿いに西方向へしばらく歩いたところの「
鬼太郎ひろば」にも、「やまびこ」「ぬらりひょん」など妖怪が多く潜伏しています。
「鬼太郎」シリーズでたびたび登場する強敵「ぬらりひょん」。アニメ第6シリーズでは大塚明夫氏が熱演していました
鬼太郎ハウスの滑り台、ぬりかべ型のミニボルダリング、一反もめん型の長〜い遊具なども。ここの公園は妖怪づくしです。
妖怪だけでなく、こちらも子どもに人気
京王線が地下から地上へ出るところを間近に見られる展望ベンチもあり、妖怪だけでなく電車も見物可能。電車という日常の象徴と、妖怪という非日常の象徴がけんかすることなく共存しています。こういう広場も地味ながら「調布らしさ」がよく表れたスポットと呼べそうですね。