高すぎるハードルを越えた続編に
何しろ前作はアカデミー賞作品賞受賞作で、世界中で絶賛を浴びた名作であるため、続編に求められるハードルは並大抵のものではありません。結論から言えば、筆者個人としては前作の魅力や面白さを引き継ぎつつ、単なる繰り返しにもせず、意義のある「その後」の物語を描ききった、理想的なアプローチができている続編だと感じました。 後述する通り賛否を呼ぶポイントはあるものの、レビューサイトやSNSでもおおむね高評価で、特にFilmarksでは4.0点と、3.9点だった前作を上回るスコアを記録しています。
見る前の4つの注意事項
見る前に知ってほしいことの筆頭は、なるべく前作を見ておいたほうがいいということ。登場人物のほとんどは一新され、今作から見ても、劇中で語られる内容から前作の内容は把握できますが、「前作であったこと」を前提に話が進む場面もあるからです。また、刺激の強い刀剣による殺傷流血の描写がみられるという理由でR15+指定がされており、それは納得できるレーティングでした。残酷描写の数そのものは多くはないものの、やや突発的にショッキングなシーンがあることを覚悟しておいたほうがいいでしょう(なお前作は再公開の際にPG12指定でした)。
さらに、上映時間は148分とやや長めなので事前のトイレを忘れずに。内容そのものは複雑ではありますがテンポがいいので、個人的には実際の時間よりも短く感じました。
なお、本作は劇場パンフレットが制作されていません。その理由は定かではないですが、ローマの歴史を踏まえた読みどころが期待できる内容なだけに、残念ではあります。
ここからは、前作から受け継がれた、または変わったポイント、5つの項目に分けて称賛しましょう。おおむね肯定していますが、中には批判が出るのも当然だと思う要素もあったのです。