日本におけるチーズの元祖である「蘇」が旧暦の10月(現在の11月ごろ)に作られていたことにちなんで、覚えやすい11月11日に制定されました。
今回は「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の違い、チーズでお金を借りられる国があるなど、チーズの豆知識をご紹介します。
国民1人あたりのチーズ消費量1位の国は?
2022年の生産量国際酪農連盟のデータによると、チーズの生産量1位はアメリカで約637万トン。国土の広さもあり、2位ドイツの約243万トンに大きく差をつけた1位になっています。では、生産量ではなく、国民1人あたりのチーズ消費量1位はどこでしょうか?
正解は、デンマーク。同じく2022年のデータでは、1人あたり1年間に28.3kgも消費しています。
春から夏にかけての降雨量が多く、気候も温暖。乳牛にとって理想的な環境であるデンマークは、ヨーロッパでも有数のチーズ大国。
ただ、2位のフランスが27.4kg、3位のキプロスが26.3kgと僅差なので、順位は年によって入れ替わりがあるようです。
なお、日本の国民1人あたりの1年間のチーズ消費量は2.5kg。10倍以上の差がありますね……!
「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の違い
ナチュラルチーズは、牛や山羊などのミルクを乳酸菌や凝乳酵素によって固めて水分(ホエイ)を切り、ほとんどの場合、それを熟成させたもの。本場フランスでは「一つの村に一つのチーズ」という言い回しもあるほど、風土や製法の違いによって見た目も味もさまざま。ワインと同様、自分好みのチーズを探す楽しみがあります。
一方のプロセスチーズは、1種類または複数のナチュラルチーズを粉砕して加熱溶融、乳化させたもの。市販のスライスチーズなどが該当します。
加熱によって乳酸菌や酵素などの微生物が死滅するため、品質が一定で保存性に優れているのが利点です。
チーズでお金を借りられる国がある!?
世界には、銀行からお金を借りる際にチーズを担保にできる国があるのはご存じでしょうか。その国とは、イタリア。エミリア・ロマーニャ地方で厳しい品質管理のもとで生産され、検査に合格したものだけが認められる高級チーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」は、商品になるまで年月がかかるために費用がかさみます。
そのため、一部の銀行では熟成中のチーズを担保にして、次のチーズ作りの資金を借りることができます。
銀行側が担保のチーズが高く売れるように熟成庫を用意して管理を行うので、チーズ工房は融資を受けられるだけでなく、熟成のリスクやコストを軽減することができる仕組みになっています。
さまざまな種類があって、奥が深いチーズ。この機会に、こだわってみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル「コントするイシカワくん」シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事があればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。