どうする学校?どうなの保護者? 第23回

「P連はPTA会長の立身出世のためにあるのではない」解任された元副会長が「会長の勘違い」に釘をさす

最近では「P連改革」の話もよく聞くようになってきましたが、P連改革はPTA改革以上に苦戦することも……。とある市P(市単位のP連)で副会長を“解任”されたPTA会長・ワタルさんの体験談をお聞きしました。

自己実現のための場? 「上ではなく横を見てほしい」

P連ではなぜこのように、声をあげる人が排除されやすく、改革が実現しづらいのでしょうか。ワタルさんは「PTA会長が勘違い」しやすいことも、一因ではないかと話します。
 
「うちのように小さな学校のPTA会長でさえ、自校や他校の行事や会議に行けば来賓席に座らされて、先生方や関係者からは『会長』と呼ばれ、周囲から持ち上げられます。そうすると、自分でよほど意識していないと、勘違いして王様になってしまうんです。その成れの果てが、P連で上へ行きたがる人たちでは。政治家との会合や、会議に出席したことを、自分の実績か何かのように思って、アピールしている。
 
PTAやP連は、会長や役員の『立身出世』のために存在するわけではありません。PTAを支える一般会員の声や思いを、然るべきところに届けるため、そういった立場にあるだけのこと。そこをはき違えられては困ります。P連の上層部は上(上部団体)ばかり見ていないで、もっと横を見てほしい。隣人(会員)を愛してよ、ってことです」(ワタルさん)
 
おそらく似たような状況のP連は、日本中にたくさんあるのでは。P連は何のためにあるのか、一部の保護者の自己実現のための会になってはいないか――。ワタルさんの話を、いま一度、P連見直しのきっかけにしてもらえたらと願います。
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この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。
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