「正直、日本ってさ…」外国人に聞くぶっちゃけニッポン 第44回

世界から見て、日本は“ヘンタイカルチャー”なのか。日本を愛するイスラム教徒アメリカ人が「残念」に思うこと

日本のアニメが大好きで、関西外国語大学に留学も果たしたバングラデシュ系アメリカ人のインフルエンサー、アクター・シャラニカさんにインタビューを行いました。イスラム教徒の彼女には一体、日本はどのように映っているのでしょうか。

日本の社会の中に入ってみて思うこと

——とてもポジティブな考えを聞かせていただけて大変勉強になりました。こんなふうに歩み寄って理解しようとする外国人が増えると、とてもうれしいなと個人的には思います。逆に日本で生活してみて、自分とは合わないなと感じることはありましたか?

「他者を理解するという点では、もう少し学ぶ余地があると思います。日本でホームステイをしていた時、ホストマザーは日本人で私の母よりも年上の女性でした。彼女はずっと私のことを『アメリカ人』だと思い込んでいて、毎日ハンバーガーやパスタを食卓に並べました。

私は常々『私は「バングラデシュ系のアメリカ人」です』『バングラデシュでは毎日お米と魚を食べます。だから私は和食も大好きです』と伝えていたのですが、その次に食卓に並んだのはカレーでした。とうとう留学センターを通じてコミュニケーションを手伝ってもらうことにしました。その日、初めて和食が並びました。焼き魚、みそ汁、白米、煮物など。とてもおいしくて完食しました。

翌日、ホストマザーが娘さんに電話で話しているのを聞きました。『今ホームステイしている外国人の子、和食を出したらまるで猫が食べたみたいにきれいに魚を食べたよ』と。それを聞いて私はめちゃくちゃ笑いました。

だからバングラデシュ系だと言ってたのに! と思って。そこからは毎日魚の和食でした。とてもおいしくてありがたかったです。これは一例ですが、日本人は文化の異なる外国人のことを知る機会がもっとあってもいいと思います」

日本は「最もイスラム教徒をリスペクトしてくれる国」

「その一方で、日本はイスラム教の人口がとても少ないにもかかわらず、私がこれまでに旅した場所の中で最もイスラム教徒をリスペクトしてくれる国だとも感じてます。

日本の空港やショッピングモール、また東京駅や梅田駅の中には、お祈りのための部屋があります。これって素晴らしい気遣いだと思うのです。現地の大多数の人は必要としておらず、主に外国人観光客向けに作られていることを理解し、感謝しています。ニューヨークにはそういう設備はありません。

そして日本にあるハラール料理のレストランは、戒律に厳格に従って料理を作ってくれます。イスラム教徒として、尊重されていると感じられ、とてもありがたく思います」

——最後に、日本に暮らす人たちに向けてのメッセージなどあればお願いします。

「今の日本にはうつや自殺がまん延していることをよく耳にします。もしどこかに希望を探している人がいるのなら、イスラム教をちょっとのぞいてみてもいいかもしれません。日本の文化と相性が良いし、また違った角度から物事を見せてくれるかも。お酒と豚肉は厳禁ですが(笑)」

この記事の筆者:Gena プロフィール
ドイツ在住3年目のライター、ボディポジティブモデル。個人ブログをきっかけに執筆活動を開始し、現在はヨーロッパのモデル事務所に所属しながら、「ヨガジャーナルオンライン」にてエッセイを連載中。学生時代にはアメリカ・ニューヨークにも留学経験あり。日本と欧米における視点の違いに関する情報を発信する。Instagram:@gena_2046
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