今回は「塾」と「予備校」の違い、日本で最初にできた塾では何を教えていたかなど、違いの分かる人になれる塾の豆知識をご紹介します。
日本で最初にできた塾では何を教えていた?
日本で最初の塾は、約1200年前の平安時代に生まれたとされています。当時の塾に通えたのは貴族階級の子どもたちだけで、貴族としての教養・知識として和歌などを習っていました。その後、教育が軽視された戦国の時代を経て、江戸時代には「寺子屋」が全国的に普及。読み書きそろばんとともに、あいさつや立ち振る舞いに道徳観など、実用的な教育が実施されていました。
現代の学習塾の原型ができたのは明治維新後。試験・受験制度の導入によって、進学のための学力向上や学校の授業の補習としての役割を持つようになりました。
「塾」と「予備校」の違い
塾にも「そろばん塾」や「政治塾」などさまざまな種類がありますが、予備校と比較されることが多いのが「学習塾」。学習塾と予備校の大きな違いは、指導対象と形式にあります。
学習塾は、基本的に小・中学生を対象として、学校と同じく「授業形式」で指導します。指名して問題を答えさせたり、生徒の質問に答えたりして、足りない学力を補うのが特徴です。講師は授業だけでなく、生徒の学力に合わせた進路指導なども行います。
一方の予備校は、高校生と浪人生を対象に、大学のように講師が一方的に解説する「講義形式」で、大学受験対策が効率よくできるのが特徴。講師は講義を専門に行うプロであり、手取り足取りの進路指導は行わないのが一般的です。
ただし、それぞれを組み合わせたサービスを提供している塾・予備校もあるので、実際に選ぶ際は詳細をご確認ください。
人口当たりの塾の数が最も多い県は「和歌山県」
塾が多い都道府県となると、東京や神奈川など人口の多い首都圏が上位になりますが、では「人口当たりの塾の数」ならどこが多いのか?総務省による2021年の統計調査によると、人口当たりの塾の数が最も多いのは、意外にも和歌山県。
1万人当たりの学習塾数の全国平均が4.3校なのに対して、6.6校で全国1位になっています。
実際に通っている生徒数も、文部科学省の同年の調査によると、公立校の小学生で51.3%、中学生で70.3%と、それぞれ全国平均を上回る高い通塾率を示しました。
和歌山県は中高一貫校が多いために、小学生のうちから塾に通う傾向が高いことが理由の1つとされています。
今や中学生の半数以上が通う塾。子育て中の人は、この機会に塾との向き合い方を振り返ってみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル「コントするイシカワくん」シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。