“信念”を持つ幼稚園児ベジタリアンも
実は筆者の周りにもベジタリアン児が複数いたのですが、菜食主義に傾倒した理由は「屠殺(とさつ)される動物に憐れみを覚えるため」だそうで、母親たちは「ちゃんとタンパク質を摂取してほしいけれど、普通の肉はもちろん、ソーセージやベーコンすら食べてくれないの……」と口をそろえて心配していました。
親たちも他の食材でプロテインを補う努力はするものの、子どもに肉食を強要せず、我が子の信条を尊重しているのが印象的でした。
食育の場でも自己主張するヨーロッパ
こうしてみると、ヨーロッパの子どもは食育の場でも自己を確立し、自分の個性に自信を持ち、堂々と周りに自己主張できるように教育されているようです。日本で生まれ育った筆者は、おおよその栄養バランスを考えた献立や、食の選り好みをしすぎないことは重要と認識していました。けれど、その食育が子どもの人格、個性、将来といったものにまで打撃を与えてしまうのであれば、ヨーロッパ方式を柔軟に取り入れるのもアリなのかもしれません。
この記事の筆者:ライジンガー 真樹
元CAのスイス在住ライター。日本人にとっては不可思議に映る外国人の言動や、海外から見ると実は面白い国ニッポンにフォーカスしたカルチャーショック解説を中心に執筆。All About「オーストリア」ガイド。