SixTONES・ジェシーやSnow Manも……STARTO社タレントの「個人事務所設立」が相次ぐ理由とは?

STARTO ENTERTAINMENTに所属するアイドルにおいて、個人事務所を設立する動きが増えています。なぜ、アイドルたちは個人事務所を設立するのか? その疑問に、元テレビ局スタッフが答えます。(サムネイル画像出典:ジェシーさん公式Instagramより)

先日熱愛報道で週刊誌をにぎわせたSixTONESのジェシーさんですが、直近では個人事務所設立が取り上げられ話題となっています。ジェシーさんは、現在「STARTO ENTERTAINMENT(以下・STARTO社)」に所属していますが、2024年7月19日に自身のInstagramアカウントで「株式会社ZDN」の設立を発表。
  Instagramの投稿では、「わたくしジェシーは個人会社を設立した事を報告します!『株式会社ZDN』です! グループ活動を軸に新しい分野への挑戦も行いたく思います!新しい楽しい事を沢山の方々と共有して行きたいと考えております!」とコメントし、個人事務所の設立を説明しています。

実は、ここ最近ではジェシーさんだけでなく、STARTO社のタレントが続々と個人事務所の設立を行っています。なぜ、独立するわけではないのに個人事務所を開く必要があるのか? 芸能界の素朴な疑問を、元テレビ局スタッフの筆者が解説していきます。

芸能人が個人事務所を設立する最大の理由は「お金」?

実は、芸能人は昔から芸能事務所に所属しながら、個人で会社を立ち上げるケースは多くありました。最大の理由は「節税効果」があるからで、CMなどに多数出演して年収が高い芸能人は個人事務所を設立してギャラを管理します。自分がテレビを制作していた際に関わった俳優、芸人、アイドルなど売れっ子タレントは、個人事務所を持っていたケースが多かったと記憶しています。

数億円の年収がある芸能人は、自分の会社の売り上げにすることで、経費などを計上したうえでその会社から給料をもらう形で節税を実現。例えば、1億円の収入がある芸能人は、会社の売上にして自分は2000万円の給料をもらい、会社は経費を計上して税務処理することで、個人で1億円を申告するより大幅な節税を実現できます。

また、会社の情報を見ると、役員は親族ということも少なくありません。親族はギャラを管理して給料をもらうことで、節税に協力しながら仕事もゲットできるわけです。これは、芸能界では一般的に良く知られている節税対策となっています。

「節税」の色が強いことから、これまで個人事務所の存在を大々的に告知する芸能人は少なかった印象。しかし、ジェシーさんはわざわざ公表しました。つまり、今回の「株式会社ZDN」の設立理由は、節税がメインではないということが伺えます。

通常とは事情が違う? トップアイドルが個人事務所を設立する理由

ではなぜ、ジェシーさんは個人事務所を設立したのか? これまで、芸能人が個人事務所を設立するのは、独立するかもしくは多すぎるギャラを節税するのが主な目的でしたが、STARTO社のアイドルたちは、少々事情が違うようです。

そもそも、ジェシーさんだけでなく、嵐のメンバーは「株式会社嵐」を設立し、STARTO社とグループエージェント契約を締結。また、King & Princeも新会社「King & Prince株式会社」を設立し、個人ではSnow Manの阿部亮平さん、佐久間大介さん、渡辺翔太さんが個人事務所を設立したとスポーツ新聞が報じています。さらにラウールさんは、インスタライブを行いSTARTO社とは別に、パリのモデル事務所と契約したことを発表。その他にも、櫻井翔さんは個人ホームページを2024年4月に開設し、「仕事の依頼や問い合わせ窓口としての機能のみを有するもの」と説明しています。
 

芸能人が個人事務所を設立しがちだとしても、2023~2024年にかけてSTARTO社タレントの個人事務所設立はあまりにも多い印象。2023年、旧ジャニーズ事務所で性加害問題があったとはいえ、数多くのメンバーがグループや個人で事務所を開いています。

この、芸能史の中でも特殊な状況は、STARTO社とアイドルたちの契約が大きく関係してくると考えます。2024年4月から本格始動したSTARTO社は、これまでの旧ジャニーズ事務所と違い、タレントの希望に応じて「エージェント契約」も可能に。このエージェント契約を結ぶことで活動の自由度が上がり、それに伴って個人事務所を設立したアイドルが多くなったと推測できます。
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個人事務所設立により広がる“活動の幅”
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