【実際の投稿:高井ゆと里氏、性別違和の正しい知識を呼び掛ける】
性別変更のニュース
手術なしでの性別変更を認める決定を出した広島高裁。性別違和の当事者が性別適合手術をせずに、戸籍上の性別を男性から女性へと変更できるよう求めていました。性同一性障害特例法の要件には「変更後の性器部分に似た外観を持つ」(外観要件)とする規定がありますが、外観要件は「違憲の疑いがある」とのことでした。これに対し、ネット上では差別や誹謗(ひぼう)中傷の声があふれる事態に。特に「手術なしで性別変更できるとなればペニスをつけたまま女湯、女子更衣室、女子トイレにも入れるということだよね」などという誤った解釈が一人歩きし、ヘイトを加速させています。
群馬大学の准教授で、トランスジェンダーについての著書も多い高井ゆと里氏は、「拡散希望」と題し、「5号(外観)要件を適用しない形での戸籍変更が高裁で認められました。これを機に、しばらくのあいだ混乱した情報が飛び交うことが予想されます。(もうすでに、飛び交っています)」とつづり、正しい知識を啓蒙するポストをしました。
「それぞれが安全に生きられる道を模索しています」
まず下記のように、今回の決定の流れを説明した高井さん。
この判決は昨年の最高裁判決で4号(不妊化)要件の違憲を勝ち取った原告さんについて、決着していなかったご本人の戸籍変更を認めたものです。
5号について審理すべく高裁に差し戻し…という流れでしたが、昨年時点で、今日のような結論になることは明らかでした
続けて、
と、自著『トランスジェンダーと性別変更』で正しい知識を身に付けるよう呼び掛けました。さらに、同一性障害特例法は(現在の)トランスジェンダーにあたる人たちが、戸籍に登録された性別を変更することを可能にする法律です。この法律に含まれてきた問題や、法制定の経緯、世界の状況などについては、『トランスジェンダーと性別変更』を読んでください。必読書です
戸籍の性別と、性器の特徴と、生活の実態と、それに伴って利用する性別分けスペースと…すべてが一貫している人には理解しにくいかもしれませんが、トランスの人たちには、戸籍の性別と生活実態が逆転しているたちがいます。特例法を必要とするのはそうした状況の人たちです
と、トランスジェンダーの人たちが置かれている状況についても説明。自著『トランスジェンダーQ&A』で、「トランスジェンダーとは?」「トランスジェンダーの人たちが直面している困難は?」など、さまざまな疑問に答えているようです。最後には、トランスの人たちは、自分たちを前提としない社会の常識・設備に囲まれながら、それぞれが安全に生きられる道を模索しています。トランスの人たちの生活と、戸籍と、性別分けスペースをめぐる(素朴な)疑問については、『トランスジェンダーQ&A』で徹底的に解説しました
と力強く表明しました。「この判決によって男が女湯に入り放題になる」とか「男性の陰茎を女湯で見せつけられる」と言っている人がいたとしたら、その人は嘘つきデマ野郎です。本人もそれが嘘だと分かってやっていますから、最悪です。調べれば2秒で分かることを調べさせずに恐怖を煽るのがデマゴーグのやり方です