主演ドラマ『海のはじまり』も好発進! カメレオン俳優・目黒蓮の魅力を元テレビ局スタッフが徹底解説

ドラマ『海のはじまり』でも、抜群の演技力を披露しているSnow Manの「目黒蓮」さん。この記事では、目黒さんのこれまでの仕事を振り返り、俳優としての魅力に迫っていきたいと思います。(サムネイル画像出典:『海のはじまり』公式Webサイトより)

『silent』の繊細な演技で一気に注目を浴びる

『教場II』『消えた初恋』で俳優として注目度が上がった目黒さんは、2022年に俳優として大ブレークを果たすことになります。グループも人気が爆発していた時で、まずは2022年3月に映画『おそ松さん』が公開。グループで出演した作品であり、目黒さんはチョロ松を担当します。

この映画で振り切れた演技を見せ、映画プロデューサーからも魅力的だと大絶賛を獲得。『消えた初恋』よりさらにコメディーに振り切った作品で、渾身のコミカルな演技を習得することになります。
  そして、2022年10月からは、『silent』(フジテレビ系)がスタートします。社会現象を巻き起こしたこの作品で、目黒さんは「若年発症型両側性感音難聴」を患う佐倉想を担当。突然の病気により大学生の頃から耳が聞こえなくなり、恋人や友達とも離れることになる難しい役となりました。

この作品では、主人公・青羽紬を演じた川口春奈さんとのコンビネーションも抜群で、目黒さんは次々と神がかった演技を披露。病気によりこれまでの人間関係を断ち切ろうと孤独な戦いをする想の心情を、繊細な表情で上手に見せてくれました。

また、紬と再会することで人を信じる勇気をもらい、明るい表情に変化していく想を丁寧に表現しています。想は手話が会話の基本になる中で、言葉では表現できない葛藤や悲しみ、喜びなどの揺れ動く感情をしぐさや表情で見せ、視聴者の感動を生み出しました。
  俳優として大きな実績をあげながら、続けざまにNHKの連続テレビ小説『舞いあがれ!』や映画『月の満ち欠け』に出演。『舞いあがれ!』で演じた柏木弘明は、クールで空気が読めないキャラクター。さらに、『月の満ち欠け』で演じた三角哲彦は、心から愛した女性をいつまでも思う繊細で一途な役です。

『silent』をふくめ、ここまで短期間で性格が違う役を演じ、しかもどの作品でも存在感をしっかりと示すことに成功しています。

『わたしの幸せな結婚』と『トリリオンゲーム』で見せた振り幅

そんな演技の振り幅の広さは、2023年になるとさらに加速します。
  2023年3月17日には、映画単独初主演を果たした『わたしの幸せな結婚』が公開。同作品は、顎木あくみさんの小説が原作で、大正ロマンを思わせる時代が舞台。目黒さん演じる久堂清霞は銀の長髪をなびかせるキャラクターで、美しい見た目をしていながらも冷酷無慈悲な男という設定です。目黒さんは終始、ほとんど笑顔は見せない無愛想な役に挑戦。いわゆる漫画的な分かりやすいキャラクターで、かわいらしいツンデレな部分も見せてくれます。

また、ヒロインの斎森美世を演じた今田美桜さんとの相性も抜群。ファンタジー作品でも目黒さんの魅力が生かされることを証明した映画となり、俳優として活躍を続けながら見せてきた“演技の幅の広さ”を更新しました。
  かと思えば、次作となるドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)では、チャラくてブレーキの利かない世界一のワガママ・天王寺陽(ハル)を演じることになります。人気漫画が原作のドラマで、無鉄砲でやんちゃでうさんくさいハルになりきり演技。天性のコミュニケーション能力を持つハルの軽快なトークは、無口な久堂清霞とは真逆のキャラクターとなります。

どんな役でもこなせる演者をカメレオン俳優と呼ぶことがありますが、目黒さんはまさになんでも演じて自分のものにしてしまう“カメレオン”そのもの。しっかりと台本を読み込み、プロデューサーや監督の視点を持てる頭の良さがあるからこそ、どんな役でも自分のキャラクターに仕上げられるのだと考えます。
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