日本で購入できるはちみつの95%以上が海外産
世界中で日々食されているはちみつ。世界全体の年間生産量は2022年時点で183万トンにもおよびます。日本では1963年の輸入自由化を機にはちみつの輸入が始まりました。1990年頃に「はちみつ入り飲料」ブームが起きた際は6万トン以上の輸入量になったそうですが、近年の輸入量はおよそ4~5万トンに落ち着いています(農林水産省「我が国の養蜂をめぐる動向」より)。
日本国内でのはちみつ生産量はおよそ2800トン。主に長野県や北海道などで生産されています。近年、都市部での養蜂に関心が集まっていることや、国産のはちみつが見直されていることなどを機に飼育戸数が増えていますが、国内自給率としては5%程度。つまり、日本で購入できるはちみつは約95%が海外産なのです。
国別に見てみると、中国からの輸入が全体の約7割を占め、次いでアルゼンチン、カナダ、ミャンマー、ハンガリーなどヨーロッパを中心に輸入されています。
中国産のはちみつはなぜ安い?
中国ははちみつ生産量で世界第1位の大産地。養蜂の記録も古く、紀元前1600年頃には「蜜」という字が書物に出現しているほど。広大な土地に数多くの養蜂場を持ち、ミツバチの飼育技術もある中国は大量生産ができるため、安く購入できるのです。
国産はちみつと中国産はちみつの違いは?
では、国産はちみつと中国を含む外国産のはちみつに異なる点はあるのでしょうか。実は違いは「水分量」なんです。一般社団法人全国はちみつ公正取引協議会が定めた公正競争規約では、「輸入はちみつの水分は20%以下、国産はちみつは22%以下」と定められています。日本は他国に比べ降雨量が多いことから、花蜜の水分量が多いことを考慮しているそう。
ただ、こちらの協議会が毎年実施している定期検査では、検査対象の国産はちみつ全てが水分量の割合が20%以下という結果になっているそうです。
ここからは実際に3種類のはちみつの違いをチェックしてみました。