東海道、山陽、九州新幹線の指定券は「エクスプレス予約」が便利
JRによる長距離移動で多くの人が利用するのは、新幹線であろう。今では新幹線も多方面に路線が延びている。その中で最も利用が多いのは、東海道新幹線とそれに続く山陽新幹線、九州新幹線だ。このルートに関しては、JR東海エリアを中心に普及している「エクスプレス(EX)予約」というサービスがある。事前にインターネット予約をすると、原則、専用のカードを改札機にタッチすることにより、列車に乗車、そして下車できる会員制のサービスだ。
年に1回利用するかどうか分からないとか、年会費を払いたくないのであれば、「スマートEX」というサービスもある。こちらはエクスプレス予約の会員価格よりも割引率は低いけれど、すでに所持しているクレジットカードで決済ができ、持っている交通系ICカードで入退場可能なのが便利だ。
いずれにせよ、混雑した窓口に並んで指定券を購入する必要が全くないのがよい。東海道新幹線のみならず、九州新幹線の博多~熊本といった九州内での乗車にも使える。
「エクスプレス予約」や「スマートEX」の方が割高になることも
ただし注意点がある。それは、あくまで新幹線の乗車のみに限定されるチケットであり、新幹線乗車前や乗車後の在来線の運賃は一切含まれない点だ。紙のきっぷであれば、新幹線指定券とは別に発券される乗車券に、新幹線乗車前後の運賃が含まれている。例えば東京から名古屋に出かける場合、「東京都区内→名古屋市内」という乗車券が発行される。これを利用すると、JR西荻窪駅からJR中央線を利用して東京駅から新幹線に乗車、名古屋駅で下車後、JR中央線(西線)で新守山駅まで乗っても、追加料金は一切不要だ(東京駅、名古屋駅でいったん改札外に出ることは不可)。
一方、「エクスプレス(EX)予約」や「スマートEX」の場合は、上記の中央線(在来線)の運賃は別払いとなる。従って、新幹線料金が若干割引となっても、乗降する駅によっては紙のきっぷを利用する場合に比べてトータルで割高になることもある。新幹線以外はJRを使わない(地下鉄やバス、タクシー利用)のであれば影響はない。
紙のきっぷ(東京都区内→名古屋市内)
乗車券=6380円、新幹線特急券(のぞみ)=4920円、合計=1万1300円
(通常期)
エクスプレス(EX)予約=1万880円(東京駅→名古屋駅)
西荻窪→東京=406円(SuicaなどIC乗車券利用)
名古屋→新守山=250円
合計=1万1536円……紙のきっぷより236円割高!
(閑散期の場合は200円安い1万680円となるので、割高分は36円となり これなら、それほど気にならない人もいるであろう)
JR東日本の新幹線なら「えきねっと」が便利
東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線などJR東日本を中心とした新幹線ネットワークなら、「えきねっと」を利用してみたい。こちらも、「新幹線eチケットサービス」(事前にSuicaなどのICカードを登録して乗車する。特急券と乗車券がセットで販売される)を利用する方法と、予約した区間のきっぷを指定席券売機で発券する方法の2種類がある。株主優待券やシニア向けの大人の休日俱楽部の割引も受けられるので、在来線の特急列車など複雑な乗り換えを必要としない単純な往復(東京~仙台、東京~長野など)にはストレスなく活用できるだろう。
ところが、いいことばかりではない。相変わらず窓口を利用せざるを得ない場合が歴然と存在するのだ。